連載
第12回ゲスト「西山宏幸のオレ哲学」第2週
連載対談「川本成のオレ哲学」(略してオレ哲)。12回目のゲストは、ブルドッキングヘッドロックの元・主宰で、自ら俳優であり、ミュージシャンでもある西山宏幸さんです! 2週目では、普通の人とは違う、西山さん独特の発想の秘密がわかるかも!?
COLUMN 2015 8/14 UPDATE
川本:オレ実は、西山くんとの付き合いは、年数でいうと、そんなに経ってないんだよね。3年ぐらいか? ゴールデン街劇場で根本宗子ちゃんの舞台に出てた時は、まだそんなに知り合いじゃなかったもんね。
西山:うん。
川本:その後、フトちゃんケイちゃん(音楽家のあらいふとしくんと、作家の川尻恵太くん)のイベントで。でもあの時もまだそんなに深くお付き合いはなかったもんね。
西山:僕がトーキョーハイライト(諸岡立身さん主宰のコントユニット)さんの舞台に出てた時に、246億と稽古場が近くて、成さんが遊びに来た時も、僕一言も話してないですもん。
川本:そうだ! あの時で、2~3年前か。
西山:なんか、妙に緊張しちゃって(笑)。
川本:共通の知り合いは、いっぱいいたんだけどね。それが、なぜ急接近したのか。それは…やっぱりブルドッキングヘッドロックの『おい!キミ失格!』の時かな?
西山:うん、そうだと思う。
川本:じゃあ、急接近は去年ぐらいか。
西山:多分。
川本:西山くんは、お芝居観てた時からそう思ってたんだけどね、なんとも珍しい人だな、と。
西山:珍しい?
川本:やっぱり、ミュージシャンだったんだってことを後から聞いて、「あーなるほど!」と納得したというか。最近ちょこちょこ、二人でじっくり話してるけど、普通の人の概念とは明らかに違う。たとえば普通なら、何か目標があるとすると、階段を一段ずつ上っていくイメージだと思うんですよ。一段目を上らなきゃ二段目にいけない、二段目に上らなきゃ三段目にいけないというイメージ。だけど、西山くんはそうじゃないんですよね。ゴールだけをきちんと見据えてる。それで、中間はぴょんって飛ぶ。これミュージシャン的発想だな、と思うんだよね。
西山:確かに、そうかもしれない。
川本:アルバムを作る感じなのかな? 一段一段上っていかないと実現しないって思う人が多い中、西山くんはデカイことを最初からセッティングしてる。その景色のためにジャンジャン進んでいくんですよね。だから、西山くんといると、「あー、そういうことだよな」と、自分の中で考えて腑に落ちることが非常によくある。
西山:うんうん。
川本:多くを言わないんですよ。「成さん、これでお願いします」って結論だけ言って。だから聞いた瞬間は「えー!?」ってなるんだけど(笑)。西山くんの中では見えてるんだもんね。
西山:見えてますよ。見えてる見えてる。まぁ、無茶振りってことでもあるのかもしれないですけど。
川本:でも、わりと明確に見えてるよね。
西山:想像というかイメージは、ものすごくしますね。
川本:イメージだよね。イメージをしてそこに自分が追い付いていくってことだよね。
西山:うん。
川本:普通の人って、ちょっと先のイメージしかできないんだよね。こうやったらここでこけちゃうんじゃないか、とか。そういうのはないよね、西山くんは。
西山:そうですね。今、話しながら、どういうことなんだろうって考えてたんですけど…これ結構、曲を作る過程に似てるかもしれない。
川本:あぁ、そうか!
西山:曲って、こんな感じにしたいっていうのがあって、とりあえずやってみる。やってみるんだけど、何か違う。でも、ここにやりたい曲のイメージがあるんだよ!と。そこへ向かっていくために、ウワーっ!てやるんです。
川本:ほぉー。
西山:あー、今だいぶ感覚的な発言になってますね…。ウワーっ!とか言い出したら、オレ注意!オレ注意!って思うんですけど(笑)。
川本:(笑)。自転車とかこいでてさ、溝が左にあるとするじゃん。で、はまったら嫌だなって思うと、左行きたくない行きたくないっていうのに左行っちゃって、まんまと溝にはまっちゃうことってあるじゃん。
西山:あるある。
川本:それって、すぐ目の前を見てるからなんだって。バイクの試験なんかで一本橋を渡る時、遠くを見ろって言うじゃん。目の前見てると転んじゃうから、わりと遠くを見てれば大丈夫っていう。だけど、これって心理と逆なんだよね。道をはずれたくないから下を見る、そうすると、はずれちゃう。自転車もそうなんですよね、溝があるから、注意!注意!と思ってるとはまっちゃう。そうじゃなくて、道の先を見てれば、曲がるときとかもスーッと曲がれる。・・・ということらしいです。その話と、結構近いなと。噛まない噛まないと思ってると噛むでしょ。近くのことを考えると、そうなってしまうっていうことがあるみたいなのね。
西山:あるある。すごいわかりやすかった。なんかスーっときた。
川本:理屈じゃないっていうところ。理屈を並べるとできないっていうところなんだろうな。そういうのがやっぱり、一緒に芝居してて非常に面白いんですよね。ワクワクする。『おい、キミ失格!』でいうと、「文豪会議」の場面はワクワクしたね。
西山:あれ面白かったー。なんか、戦ってる感じでしたね。まさにライブっていうか。すごい繊細なことをやってて、トゲトゲしたアンテナがあるのかもしれないけど、でも結局トータルでやりたいことは決まっているから。ま、最終的にこうなればいいや、っていう中で遊べる。
川本:西山くんは間違えたり噛んだりとかしないよね?
西山:しないですね。
川本:しないんですよ、西山くんは。だからオレが、「いかんいかん!セリフをしっかり言おう」とか、「次、何だっけ」って思うと、もう逆に、オレが間違うもんね。
西山:僕は、セリフ全部忘れてますもん。
川本:ハハハハ(笑)これがすごいんだよね。
西山:全然、何にも出てこないなと思って。でも、その瞬間に成さんの顔見ると、「あー!」って思い出す。
川本:そういうことだよね。現実ってそういうもんだもんね(笑)。
(3週目につづく)
ゲスト・プロフィール 西山 宏幸(にしやま・ひろゆき)
2001年からブルドッキングヘッドロックに参加し、俳優活動と共に、ほぼ全ての作品の音楽制作を担当。 2007年から2015年まで劇団の主宰を務める。 2013年のvol.23『少し静かに』では、演出・音楽・出演。劇場空間含め、舞台上のあらゆる「音」を取り入れた演出を行う。最近の音楽制作としては、舞台『墓場、女子高生』、NHKドラマ『妻は、くノ一』、『妻は、くノ一~最終章~』、ABCドラマ『敏感探偵ジャスミン』(監督:入江悠)など。2015年3月自身がプロデュースするバンド「Naked High」の活動を開始。Vocal,Bassを担当。カーニバルのようなliveを目指して活動中。
ホスト・プロフィール 川本成(かわもと・なる)
欽ちゃん劇団1期生として在籍。1994年“あさりど”結成。主な出演番組としてTV『笑っていいとも!』9代目いいとも青年隊、『王様のブランチ』他、TV・ラジオ・舞台に多数出演。現在はTV『スタイルプラス』、ラジオ『ナルウザクスダの!』へのレギュラー出演や、アニメ『テニスの王子様』、『遊戯王デュエルモンスターズGX』、『GON』、『義風堂々!!』他で声優として活躍の場を広げ、舞台では『小堺クンのおすましでSHOW』、『冒険者たち』、『男子はだまってなさいよ!聖バカコント』他、自ら『時速246億』を主宰し、定期的かつ精力的に舞台をプロデュースしている。趣味の分野では映画好きで、大の「バック・トゥ・ザ・フューチャー」ファン。この作品を語らせたら右に出る者はいない、と本人が自負している。(あくまでも本人が)
★西山宏幸さん出演情報です★
<舞台>
ポップンマッシュルームぴあ野郎公演「錆びつきジャックは死ぬほど死にたい」
10月28日(水)~11月3日(火)@CBGKシブゲキ!!
作・演出:吹原幸太
http://pmcyaro.com/stage/pmpyaro_rustedjack/sp/
★音楽を担当しています
<LIVE>
ネイキッドハイ誕生祭「母♪サンキュウ!」
9月15日(火)OPEN 18:00/START 18:30 @STAR PINE’S CAFE
http://ameblo.jp/nishiyamah/
<映画>
「愛を語れば変態ですか」(監督:福原充則)2015年秋公開
★音楽を担当しています
blog「かんたんに新しいわたし」http://ameblo.jp/nishiyamah/
Twitter https://twitter.com/nishiyamah
★川本成さん出演情報です★
<舞台>
小堺クンのおすましでSHOW30 ~THE 30 STEPS~
8月28日(金)~9月6日(日)@東京グローブ座
http://t-onkyo.co.jp/
時速246億 川本成ソロ公演「独立」
11月11日(水)~15日(日)@中野・劇場MOMO
演出:小林顕作/作:川本成、小林顕作/出演:川本成
http://www.jisoku246.com/info/
<LIVE>
ネイキッドハイ誕生祭「母♪サンキュウ!」
9月15日(火)OPEN 18:00/START 18:30 @STAR PINE’S CAFE
http://ameblo.jp/nishiyamah/