連載
第18回ゲスト「小林顕作のオレ哲学2」第1週
連載対談「川本成のオレ哲学」(略してオレ哲)。18回目のゲストは、小林顕作さんです! 小林顕作さんには2011年、『オレ哲』シリーズの第一回ゲストとして登場していただいて以来の、2回目の登場。しかも、今回は、『omoshii mag vol.13』と連動したスペシャル企画です! ぜひ、誌面で読んでいただいて、続きはこちらのWEBにてたっぷりお楽しみください!
COLUMN 2018 10/5 UPDATE
川本:今回、誌面(『omoshii mag vol.13』)と連動してるんですよ。
小林:(見本誌のページをめくりながら)男女問わず載せてるんですね。(「1789」のページで)あ、ソニンだー! 元気でやってんなぁ。
川本:オーガニックが好きなソニン?
小林:そう。野菜をずっと生でポリポリ食べるんだよね。(ミュージカル「刀剣乱舞」のページで)あれ?これ鳥ちゃん(鳥越裕貴)だ。
川本:あ、有澤(樟太郎)君にはこの前あったけど。いい人だったー、有澤君。
小林:鳥ちゃんもスゴイ良い子。
川本:顕作さんは、2・5次元舞台も演出もしてますもんね。
小林:そう、だから、なんとなくこのあたりの名前は知ってますね。
川本:オレ、元々は理屈派だと言われたいと思っていたのが出発点なんですよ。そのほうが、なんか格好良さそうだからって。でも顕作さんに出会って、どんどん逆なんだなって思った。やっぱりバカになったほうがいいんだなって…。
小林:バカぁ?(笑)。
川本:バカって言うか何と言うか、ロジカルじゃないって事。理屈じゃないって事に向かわないとなあと。でもそれも考えちゃってる時点で本当はどこかロジカルなんでしょうけどね。
もっと言うと、「ロジカル」とかそういう横文字っぽいもの自体に対してあれ?って思ってきたってのもあるかも。たとえば「ブランディング」ともかね。そういうことが先に立つ以上に、「よくわかんなかったけどスゴくなかった!?」「とにかくみたことないよ、こんなの!」ってのが一番いいんだなって思って。もちろん掘り下げていけば奥底にはあるんでしょうけど、それを押し付けがましく見せないというのがプロだなあと。顕作さんとはそういうことができるんですよね。
小林:ほうほう。そうかもね。
川本:顕作さんは音楽も好きだし、オレも音楽好きじゃないですか? アルバムを作る感覚って言うか。たとえば、デヴィット・ボウイもその都度その都度アルバムの雰囲気がガラリと変わるように、その時々に思ったことが詰まってる。顕作さんとの演劇って、まさにロックなんですよ。
小林:ロックの中でも、いいロックだよね。で、今、演劇って何やったらいいんですか? (笑)
川本:ハハハハハ。それ、顕作さんが聞きます?
小林:いやいやほんとにね、何やったらいいんだろう?と思って。2.5次元がこれだけ最盛を極めたじゃないですか。で、今、一番危険なワードで「ノンバーバル」ってのがあるだけど……。
川本:「ノンバーバル」? なんか聞いたことあるけど。
小林:言葉なし、パフォーマンスだけでやるっていうもの。
川本:それ『ブルーマン』で随分前からやってるやつでしょ。
小林:そうなんだよね。『ストンプ』もそうじゃん。
川本:そうですよ。もう何十年も前からある話でしょ。
小林:それこそ「ブランディング」なんだよ、「ノンバーバル」っていう。新しい横文字の言葉を使うと、格好良く聞こえて「最近、ノンバーバルだよ?」って言うと、「え?」って食い付く。だけど、結局、ただ言葉をしゃべってないだけなんだけど。
川本:そういうジャンルにしちゃうんですよね。
小林:そうすると、格好いいっていうことになっちゃう。
川本:横文字になるとなんかかっこよく見えますもんねえ。
小林:そうそう。それが今、一番危険なワード。だから、あえて「ノンバーバル」やりたい な、と。
川本:わーーー!(笑)「ノンバーバル」、やりましょうよ! そもそも『ブルーマン』とかも、似たようなことやってた人いっぱいいたじゃないですか。だけど、『ブルーマン』のほうが圧倒的におもしろかったもん。
小林:おもしろかった。
川本:ムチャクチャなんだもん。でも、それが日本に来た時に、そのムチャクチャが結構排除されちゃってて。
小林:あ、そうなんだ。来日版はみてないから。
川本:『ブルーマンショー』、来日版を観に行ったんですよ。ブルーマンたちはいろいろやってくれてるんだけど、翻訳してた方かどうかわからないんですけど。なんか的外れの日本で流行ってるギャグとかに翻訳されてて、ブルーマン達が結果的にちょっとスベっちゃってるんですよ。
小林:えースベっちゃってるんだ。
川本:だからもうスゴく、あれ?な感じで。本人達は多分気づいてないけど。
小林:なるほどね。いやー、イタいね。
川本:ブルーマンってガンガン客席に入ってくるでしょ? でもブルーマンシアターの時、そこまでできなくて、劇場がデカすぎるんですよ。ああいうのはシアター711とかでやったらいいんですよ。ブルーマンシアターなんてのを作っちゃうから。
小林:元々プロデュースしたの日本人なのにね。
川本:下北でやればよかったんですよ。
小林:そうそう。駅前劇場とかあのくらいの広さでやればよかったのにね。
川本:……「ノンバーバル」ね、やりましょうか?
小林:(笑)。でも、危険なんだよ。
(次週に続く)
ゲストプロフィール 小林顕作(こばやし・けんさく)
1996年、ジャンルにこだわらず、舞台を形成していく演劇ユニット『宇宙レコード』(※レは丸囲みが正式)を、西村たけお・中村たかしとともに結成。同年、男性のみ学ラン姿でダンス・映像・コントなどを展開するダンスカンパニー、コンドルズに立ち上げから参加。作品中のコント脚本を担当。客演も多数。最近では、2.5次舞台の演出もこなす。現在、NHK Eテレ『みいつけた!』(月~金曜日 午前7:45〜8:00、再放送 月〜金曜日 午後4:45〜5:00)オフロスキー役でレギュラー出演中。
ホストプロフィール 川本 成(かわもと・なる)
欽ちゃん劇団1期生として在籍。1994年“あさりど”結成。主な出演番組としてTV『笑っていいとも!』9代目いいとも青年隊、『王様のブランチ』他、TV・ラジオ・舞台に多数出演。現在はテレビ『アナログBANBAN』へのレギュラー出演や、アニメ『テニスの王子様』、『遊戯王デュエルモンスターズGX』、『GON』、『義風堂々!!』他では声優を務め、2018年公開の映画『ONLY SILVER FISH』、『紅葉橋』に出演する等、活躍の場を広げている。
舞台では『男子はだまってなさいよ!』、『ブルドッキングヘッドロック』、『月刊「根本宗子」』など話題の劇団に多数出演する他、自ら『時速246億』を主宰し、定期的かつ精力的に舞台をプロデュースしている。2016年に細川徹(男子はだまってなさいよ!主宰)を作・演出に迎え上演したSFコメディ『バック・トゥ・ザ・ホーム』の再演&続編を2018年11月に連続上演することが発表され話題を呼んでいる。趣味の分野では映画好きで、大の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』ファン。この作品を語らせたら右に出る者はいない、と本人が自負している。(あくまでも本人が)
★小林顕作さん お知らせ★
<舞台>
放課後の厨房男子【演出】
2018年10月18日(木)~11月4日(日)銀座・博品館劇場
http://event.1242.com/special/kitchenboys/
★川本 成さん お知らせ★
<舞台>
時速246億「バック・トゥ・ザ・ホーム2018」「バック・トゥ・ザ・ホーム2」連続公演
2018年11月7日(水)~25(日)赤坂レッドシアター
http://www.jisoku246.com/
<映画>
紅葉橋
2018年公開
http://no-4.biz/momijibashi/
ONLY SILVER FISH
2018年秋公開
http://www.mmj-pro.co.jp/onlysilverfish/
<ラジオ>
おしゃべり会 戦車部
インターネット放送局 ケーズステーション 不定期配信
http://www.kzstation.com/
blog「Naru’s blog’n boy」 http://ameblo.jp/kawamotonaru/
twitter @Runarurunaru