連載

第1回 春野寿美礼さん
エリザベート開幕まで、カウントダウン! そこで、omoshiiオモシィでは、隔週ならぬ、ほぼ隔日で、新キャストを中心にインタビューを掲載。撮りおろし写真とともに、現在の意気込みをお伺いします。 そして、ミュージカル『エリザベート』上演を記念して、WEBマガジンomoshiiオモシィが、リアルマガジン『omoshii mag』としてまもなく発売されます!(詳細はインタビューの後をご覧ください)。さて、集中連載、記念すべき第一回は、新エリザベート、春野寿美礼さんの登場です!
COLUMN 2012 4/25 UPDATE
2000年以来上演を重ねてきた、東宝ミュージカル『エリザベート』。今回、この東宝版に初参加となったのが、春野寿美礼さん。10年前、宝塚歌劇団在籍中には、宝塚版のトートを演じたことのある春野さんが、今度はタイトルロールで、再び『エリザベート』に向き合うことになる。(取材・文/高橋彩子 撮影/望月研 スタイリスト/奥田ひろ子
4298 シヅカコムロ/㈱洋服屋 クバ/㈱プレスハウス Elena Cantacuzene/collinacolline)
――02年に宝塚歌劇団の『エリザベート』でトート役をなさったちょうど10年後の今年、エリザベート役を演じられるという巡り合わせですね。トートを演じたことのあるお立場から見るエリザベートとは、どんな存在ですか?
トートを演じた時はトップお披露目公演だったため、自分のことで精一杯で、正直なところ、エリザベートについて深く考える余裕はありませんでした。今になって、当時のことを色々と思い出し、『トートってエリザベートにとってこういう存在だったんだな』『エリザベートはここでこんな気持ちになっていたんだ』などと気づかされています。
――宝塚での公演の前にはウィーンにいらして、作曲のシルヴェスター・リーヴァイさんにもお会いになったのですよね。
シェーンブルン宮殿はとても立派でしたが、どこか閉ざされた雰囲気だと感じました。ドイツの大自然の中を走り回っていた少女があの宮殿で、愛し信じるただ一人の相手であるフランツにすら思うように接してもらえないまま、しきたりや歴史にがんじがらめになって暮らさなくてはいけなかったのは、本当に孤独なことだったでしょうね。宮殿の一部が現在、アパートになっているのですが、リーヴァイさんはエリザベートの部屋の上に位置する部屋を借りていらして、窓から庭園をご覧になりながら『エリザベート』の曲をお書きになったそうです。その話をうかがい、私も庭やグロリエッタなどの景色を、できるだけ記憶に焼きつけたいと願いながら眺めたことをおぼえています。
――今回の『エリザベート』製作発表時、「死をもって自由を得るという作品のテーマが興味深い」とおっしゃっていましたが、その興味とはどのようなものでしょう。
エリザベートが死へと歩み寄って行ったのは、それだけ壮絶な人生を送ったからだと思います。その理由を探りたいなと。育った家族や環境、嫁いだハプスブルグ家など、さまざまな関係性をきちんとみつめ、心の奥底では死を求めつつ、その時々で行き着けずにいる彼女の姿をしっかりと描き出したいです。かつて宝塚版でトートを演じた時にはそこまで考えることができませんでしたから、再びというより、新たな気持ちで挑戦したいですね。
――改めて、春野さんのエリザベートは、どんな人物像になりそうですか?
すぐに決め込むのではなく、共演者の方々と空気を合わせ、どんな化学反応が起きるか、本番まで時間をかけながら丁寧に作りたいです。ただ、最終的に向かう場所が死ですから、破滅的な激しさだったり、あるいは繊細さだったり、そういう複雑な部分が、自ずと滲み出るように演じられたらと思っています。
★それでは春野さんからのムービーメッセージをどうぞ!
★次回は新トート、マテ・カマラスさんです。お楽しみに!
★演劇ファンの皆様へお知らせです! 演劇&エンタメ系WEBマガジンomoshiiオモシィの姉妹版、Web連動型リアルマガジン『omoshii mag』(オモシィ・マグ)がまもなく発売されます! インタビューはこのWeb版の200パーセント増! Webサイトではなかなか実現できない、クオリティの高い写真も多数掲載! 1号目の特集はミュージカル『エリザベート』。もちろん春野さんの素敵な写真もインタビューもたっぷり掲載しますので、お楽しみに!! 手元に残しておきたい保存版シリーズです。発売は6月4日予定。詳細は近日公開いたします!
プロフィールはるの・すみれ
1991年宝塚歌劇団に入団、『ベルサイユのばら』で初舞台を踏み、翌年花組に配属。早くからスター候補として注目を浴びる。2002年に『エリザベート』で花組トップスターに就任。2007年12月 『アデュー・マルセイユ/ラブ・シンフォニー』にて宝塚歌劇団退団。退団後は、歌手としてコンサート活動を行うほか、ミュージカル『マルグリット』『ファニーガール』などで主役を演じるなど活躍中。
公演情報
ミュージカル『エリザベート』
2012年5月9日〜6月27日 帝国劇場
2012年7月5日〜26日 博多座
2012年8月3日〜26日 中日劇場
2012年9月1日〜28日 梅田芸術劇場 メインホール
脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽・編曲:シルヴェスター・リーヴァイ
演出・訳詞:小池修一郎
出演/春野寿美礼、瀬奈じゅん、山口祐一郎、石丸幹二、マテ・カマラス、髙嶋政宏 ほか
問い合わせ:東宝テレザーブ:03-3201-7777
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