連載

第7回ゲスト「浅沼晋太郎のオレ哲学」第3週

タレントで、舞台・役者・声優・ミュージシャン・プロデューサーとしてマルチに活躍の川本成(あさりど)さんがホストとなって、エンタメ業界のみなさまに聞く、「オレの哲学とは?」。

連載対談「川本成のオレ哲学」(略してオレ哲)。第7回目のゲストは、演出家・脚本家・俳優・声優・コピーライター・デザイナーとマルチな才能でなんでもこなす浅沼晋太郎さん! 今回は、浅沼さんの笑いの原点に迫る!

COLUMN 2013 8/27 UPDATE

川本:浅沼くんという人には、不思議な部分が、いくつかあるんですけど。

浅沼:なんですか?

川本:ずっと聞きたかったのは、笑いの部分。その感覚は、どこでゲットした感覚なの? 浅沼くんの本て、笑いの要素がすごく入ってるじゃない?

浅沼:ほぼ、コメディしか書かないですね。

川本:何に影響されたのか、どこで覚えたかなっていう、謎があった。

浅沼:成さんは、見てて面白いと思ってくださったんですか? 

川本:うん。

浅沼:ありがたい!() 。実は、『真夏論-macron-』(※20097月の舞台。作:浅沼晋太郎)の時は言わなかったけど、芸人さんにコメディの台本を読んでもらうっていうことには、やっぱりちょっとビビるんですよ。

川本:そんなん、なんで4年ぐらいたって言うんだよ!()

浅沼:へへへ()

川本:へへへっじゃないよ ()

浅沼:今言ったらおいしい感じかなって。熟成させたチーズみたいに()

川本:個人的に思ったのは、台本にね、テンポ感が書いてあるのね。浅沼くんの本には。

浅沼:

ト書きが少ないんですよね、

僕。

川本:ああ、そうだね! 浅沼くんの中では、言い方のテンポの正解があると思うし、読んでみて、これは絶対こういう感じだなってわかった本だった。

浅沼:うんうん。

川本:人によっては、すごい悩む人もいるんだもんね。

浅沼:そうでしょうね。僕あんまり好きじゃないんですけど、芝居に自分の爪痕を無理矢理残そうとする人いるじゃないですか。

川本:うん。いるよ。

浅沼:ここ、こう変えていかないとオレらしくねぇ!みたいな。

川本:うん、うん。

浅沼:そういう人にとっては、やりにくい台本だと思うんです。

川本:はぁ。オレ、割とそういうタイプ(笑)。

浅沼:あれ? そうかなぁ。

川本:わかんない()。そういう部分もある、って感じかな。隙あらば面白い言い方しよう、みたいな。

浅沼:まーそんくらいはね。むしろしてくれた方が楽しいんですけど。

川本:そんくらいのレベルじゃなくてってことか。

浅沼:そうそうそう。

川本:なんでそういう言い方しちゃうんだよ!ってことか。

浅沼:そうそうそう()

川本:絶対余計なことはしちゃいけないってはあるもんね。

浅沼:そんな言い方されたら相手の反応も場の空気も全部変わってくんじゃん!みたいな。

川本:うんうん。浅沼くんの本はね、そのまま、ストレートにやればいいっていう部分が、結構わかりやすく書いてあった。

浅沼:基本的には、

本読みの段階で演者を笑わせたい

なと思って。

川本:うんうん。

浅沼:僕は結局、脚本、出演、演出どれが一番やりたいって言われると、

1・脚本、2・出演、3・演出

なんですよ。

川本:ほうほう。

浅沼:演出が一番下。だから僕、

人の脚本を演出したことがない

んですよ。

川本:ああ、なるほどね。

浅沼:だけど、自分の脚本を演出してもらったことは、今まで何度もある。

川本:うん。

浅沼:それは、自分の笑いのテンポだとか感覚をくんでやってくださる方なら「どうぞどうぞ!」と思うからなんですよ。そこで面白い化学反応がおこればいいと思うし。逆に、人の脚本を演出したいってほど、演出に自信があるわけではないというか……

川本:あ、そうなの?

浅沼:演出だけで面白くする自信がそれほどないんです。だから、今まで演出だけのお話も何度か頂いてるんですが、全部お断りしちゃってて。

川本:なるほどね。

浅沼:それに、本をそのまま使って演出することに、あまり興味がないんでしょうね。この先、演出だけを担当させて頂く機会がもしあったとしても、シェイクスピアや宮沢賢治みたいな古典作品に限られるかもしれません。

川本:なるほど。話は戻るけど、笑いとテンポ感は何の影響?

浅沼:それを培ったのはなんですかねぇ。

すごいテレビっ子でした!

川本:ああ、テレビっ子だったと。何を見てた?

浅沼:バラエティやドラマです。アニメはほとんど見てないですね、あまりやってなかった。

川本:バラエティのテンポなんだ? 特に何の番組? これは絶対に見てたっていうのは。

浅沼:もちろん『欽どこ』『欽ドン!』は見てましたし。

川本:おお~。

浅沼:8時だヨ!全員集合』から始まって、ひょうきん族、加トちゃんケンちゃん、とんねるず、ウッチャンナンチャン、ダウンタウン……。ドラマなら大映ドラマから刑事モノ学園モノ、ホームコメディからトレンディドラマまでなんでも。僕が実家にいた当時は、民放が2局しかなかったんです。だからアニメに触れる機会がそれほどなかった。たくさん放送されていたら、もっと見てたと思うんです。

川本:あれ、実家どこだっけ?

浅沼:岩手です。

川本:ああ、俺も鳥取だから2局しかなかったなぁ。

浅沼:今でこそ4局になりましたけど。当時は、多分なんですけど()、その民放2局に振り分けられるバラエティ番組やドラマって、要は選りすぐりだったはずですよね()

川本:まあ、そうだね。面白いものが入ってきてるってことか。

浅沼:東京でウケなかったものはふるい落とされて、いいものだけが地方に来てたんだと思うんです。それを軒並み見てたってことになります。

川本:かなり厳選され素材が送られてきて、いいもん食ってたってことか。

浅沼:いいもん食ってたんですよ(笑)。

川本:なるほどなぁ。それであの、コメディセンスなんだねぇ。

浅沼:あとはなんだろう。僕、大学では映像を専攻していたんですけど。

川本:ほう。

浅沼:自分が作る映画に、演劇コースのやつらに出てもらってたんです。それが演劇に触れるきっかけで。それからいろいろと、三谷幸喜さんの作品とかも観るようになって。三谷さんがすごい映画マニアだったってことを知ってから、自分が好きな映画と、未知の世界だった舞台が、一本の線でつながった気がしたんです。

川本:うん。

浅沼:言われてみれば、あの舞台はあの映画のあの雰囲気かって、あとでわかったこともあって。だったら俺もかなり映画観てるぞ、と。だから、笑いに限らず、伏線の貼り方や心情の描き方、音楽の使い方にいたるまで、映画からの影響がかなりあると思います。

川本:将来、映画業界に行こうってことはあるの?

浅沼:それは今でもありますね。短編映画やアニメ作品の脚本はお仕事させて頂いてます。僕の舞台の映画化も、何度かお話頂いたりしていて。

川本:ほう! じゃ、これから、映画の本を書いて、映画を作るんだ!!

浅沼:んー、監督まではちょっと厳しいかもしんないですけど、ドラマにしろ映画にしろ、ある程度の長さの

映像脚本は、近いうちに絶対やりたい

ですね。

4週へつづく)

 

ゲスト・プロフィール 浅沼晋太郎(あさぬま・しんたろう)

197615日生まれ、岩手県出身。多摩美術大学卒業。脚本家・演出家・俳優・コピーライターとして活動。2006年『ZEGAPAIN-ゼーガペイン』主人公のソゴル・キョウ役をきっかけに声優としても活動を始める。現在も、NHK Eテレ『ファイ・ブレイン 〜神のパズル』大門カイト役、TOKYO MX他『銀河機攻隊マジェスティックプリンス』アサギ・トシカズ役、webラジオ『本チャン web ラジオ 絶園のテンペスト-Z-』(パーソナリティ)などがOA2007年より、エンターテイメント・ユニット『ハイブリッド・アミューズメント・ショウ bpm』に参加。bpm作品の全脚本と演出を担当する。舞台作品以外にも、映像脚本、イベント用脚本、CDドラマ脚本も執筆。

 

ホスト・プロフィール 川本成(かわもと・なる)

欽ちゃん劇団1期生として在籍。1994あさりど結成。主な出演番組としてTV『笑っていいとも!』9代目いいとも青年隊、『王様のブランチ』他、TV・ラジオ・舞台に多数出演。現在はTV『スタイルプラス』、ラジオ『ナルウザクスダの!』へのレギュラー出演や、アニメ『テニスの王子様』、『遊戯王デュエルモンスターズGX』、『GON』、『義風堂々!!』(20137月~)他で声優として活躍の場を広げ、舞台では『小堺クンのおすましでSHOW』、『冒険者たち』、『男子はだまってなさいよ!聖バカコント』他、自ら『時速246億』を主宰し、定期的かつ精力的に舞台をプロデュースしている。

 

★お知らせ その1★
浅沼晋太郎さん出演舞台のお知らせです!
office ENDLESS produce vol.12『RE-INCARNATION  -RE-BIRTH- 』
日程:9月12日(木)~9月16日(月)
劇場:THEATER 1010
作・演出:西田大輔(AND ENDLESS)
出演:米倉利紀・中村誠治郎・浅沼晋太郎・田中良子・広瀬友祐・佐久間佑人・村田洋二郎・赤塚篤紀・猪狩敦子・椎名鯛造・谷口賢志・中村憲刀・塚本拓弥・杉山健一・竹内諒太・一内侑・平野雅史  and More
料金:前売・当日共¥6,800(全席指定・税込)
チケット:チケットぴあ・ローソンチケット・イープラスにて発売中
詳細は『RE-INCARNATION』オフィシャルサイトをご覧下さい
http://officeendless.com/sp/rein/

 

★お知らせ その2★
浅沼晋太郎さん出演イベントのお知らせです!
キャラホビ2013 C3×HOBBY
「銀河機攻隊マジェスティックプリンス」ライブ&トーク
日時:9月1日(日)開演13:30/終演14:10(予定。終演時間は変更になる場合があります)
会場:幕張メッセ 国際展示場1・2・3ホール内 キャラホビメインステージ
出演: 浅沼晋太郎・井口裕香・昆夏美
料金:ステージ観覧は無料。整理券の配布日時・配布方法等は公式HPをご確認ください。
   ※「キャラホビ2013」の入場料が必要となります。
詳細はイベントHPをご覧下さい http://www.chara-hobby.com

 

★お知らせ その3★
浅沼晋太郎さん出演イベントのお知らせです!
マジェスティックな打ち上げ会『ザンネンなんて言わせない☆』
日時:11月16日(土)
会場:未定
出演: 相葉裕樹・浅沼晋太郎・日笠陽子・井口裕香・池田純矢・昆夏美・石川智晶 他
料金:DVD購入者の中から応募の上、抽選でご招待。
参加方法:「銀河機攻隊マジェスティックプリンス」Blue-ray&DVD第1巻封入の専用応募券を第2巻封入の応募専用ハガキに貼付して応募。10/11(金)応募締切予定。
詳細はHPをご覧下さいhttp://mjp-anime.jp/16dvd/index.html#id001


★お知らせ その4★
川本成さん出演舞台のお知らせです!
小堺クンのおすましでSHOW28 IN THE**** SHAREHOUSE
日程:9月6日(金)~15日(日)
会場:東京グローブ座
構成・演出:小堺一機
脚本:舘川範雄
構成補:小山協子
出演:小堺一機・松尾伴内・川本成・堀口文宏・伽代子・大澤恵・大野朱美
声の出演:山寺宏一
料金:S席¥7,000 A席¥6,000
チケット:東京音協・チケットぴあ・ローソンチケット・イープラスにて発売中
詳細は東京音協HPをご覧下さいhttp://t-onkyo.co.jp/

 

★お知らせ その5★
川本成さん出演舞台のお知らせです!
時速246億vol.B
日程:12月3日(火)~11日(水)
会場:赤坂レッドシアター
作・演出:川尻恵太(SUGARBOY)
出演:Kimeru・新谷真弓(ナイロン100℃)・高橋良輔・増田裕生・
森山栄治(*pnish*)・柳英里紗 ※50音順/川本成(時速246億)
その他詳細は決定しだい時速246億HPで発表しますhttp://www.jisoku246.com/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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