連載
第9回ゲスト「水野美紀のオレ哲学」第3週
連載対談「川本成のオレ哲学」(略してオレ哲)。9回目のゲストは、女優であり、自らも演劇ユニットプロペラ犬を脚本家・構成作家楠野一郎と共同主宰している水野美紀さん! 第3週目は、最終回、意外や意外、内気な成さんと、いまではすっかりガンガンイケイケ人間になった水野さんのポジティブ哲学について伺いました!
COLUMN 2014 9/13 UPDATE
川本:美紀ちゃんは、自分で、演劇ユニットを主宰しようと思ったわけでしょ、それもスゴイよね。いくつのとき?
水野:30過ぎかな? 「いろんなことを想定して、石橋を叩いて渡る」というタイプ……じゃないから。
川本:そういうタイプ…じゃない(笑)。
水野:「おもしろそうだね、じゃ、やってみよう!」って先に決めてから、「じゃ、何からやったらいいんだろ?」って。
川本:ああ。
水野:一歩一歩、目の前のハードルを一個一個飛びながら進むような感じ。入るときはいつも、ぬるっとしてる。
川本:知り合ってまだ短かいけど、とりあえず「ガンガンいってみようよ!」っていう。「人に話しかけにいってみよう」とか「チラシ渡してみよう!」とか、そういう前進する感じが本当にすごいよね。
水野:(笑)。
川本:オレ、意外と内気でやれないのよ、あんまり。
水野:えーーーっ!!意外。
川本:そうなの。
水野:成くんこそ、ガンガンいくタイプに感じてたけど?
水野:でも、わたしもね、その辺は最近、変わったのかも。だって、 「遠慮してても始まんないな」 って思って。
川本:ああ。
水野:火をつけなきゃ花火だって始まんない。それに、人間って意外と、話せばいろんな共通項が見つかったりするんだよね。まぁ話して見つかんなかったら、それはそれでしょうがないし。
川本:うんうん。
水野:接触してなんか、ちょっとでもそこで得られるものがあれば、そっちのほうが得だなぁって思うようになってきて。遠慮してないで、そこは勇気を持っていったほうがいいなと。
川本:そうだよね。遠慮っていうのは、自分の中である種の勝手な解釈をして、歩み寄らないってことだと思う。だから本当に、「勇気」だねって思うね。
水野:自分が逆の立場になって、たとえば、若い劇団やってる子が、飲み屋で偶然一緒になったときに、「こんなのやるんです!」ってチラシ持ってきたら、嫌な気なんて絶対しないでしょ!
川本:しないしない。そうだよな~。自分で勝手に考えて、決めちゃうことが「敵」だな。ネガティブに想像しちゃって、妄想しちゃって、外に出ないってのが「敵」。
水野:うん。コワイんだよね。拒否されたらどうしようっていうのが。それは、わかる。
川本:年をとって、どんどん勇気が減っていくじゃん? 演劇やるっていうのは、そこで勇気を出すっていうラインにいったのかもしれないね。お互いに。
水野:そうかもしれないね。でも、いいじゃん。もう、イメージどうこうとかもないし、いつだって、ピエロになれる じゃん。
川本:そうかもしれないな。「いつだって、ピエロになれるじゃん」なんていいね! 美紀ちゃんが言ってくれると、勇気が出るよね。
水野:そうなってほしい。「わー、失敗した!」「めっちゃ恥かいたー!」ってことはみんな山ほどあるけど、おんなじだけ「よかったー!」ってこともあるから。
川本:そのために、恥をかきにいく、という・・・。
水野:相手に恥をかかしちゃダメだけど、自分が恥をかくぶんにはかまわない。
川本:いい哲学出ました!
水野:出ましたか! よかった!!(笑)
川本:これからは、いろんな若い子に劇場に来てほしいよね。偶然の出会いから将来が変わることもあるわけだから。とりあえず劇場に来てほしいよね。
水野:うん。舞台ってチケット取ったりするのも面倒くさいし、ちょっと敷居が高くなっちゃってるから、何とか 広げていきたい ね。それが、私とか成くんの役割だったりするから。
川本:美紀ちゃん、いまの10代とか20代の子に対してなにか言いたいこと、ある?
水野:今、ネットとかアニメとか2次元の世界に接することが多くなってるでしょ。だからこそ、ナマのものに触れるのは大事だと思う。
川本:今の世代はナマに触れるほうが難しい状況なんだよね。すべてが整っちゃってるから。でも難しい状況のものの方が面白いはずなんだよ。
水野:2次元って、匂いもないし、風も吹かないし、感触がない世界。そうすると、そればっかりだと感性が退化しちゃう。舞台を観に来て、役者の息遣いとか、目の前で人間が大汗をかきながら何か全力で表現している様子とか、照明の温度とか劇場の匂いとか熱気とか、そういうものを感じることは、絶対プラスになると思う。
川本:確かに。河原でバーベキューをしたり、釣りに行ったりするのと、近いんだと思うんだよね。
水野:ナマの体験ありきで2次元のものをみると、また変わるかもしれないよね。
川本:そうかそうか。美紀ちゃんがドラマをやって、演劇をやるように、なにか違うものをやると、他方も楽しくなるってことか。
水野:人間って絶対に、バランスを取らないとおかしくなるように出来てるから。
川本:そうかそうか。
水野:ナマを感じるなら、小劇場なんて一番いい。キュッとした空間で、細かい表情までよくわかるし、息遣いまで聞こえるところにギュッと集まって、みんなで熱気を共有するところなんか。もう、すごくいいよ!
川本:ナマと2次元は、表裏一体! 二つのものを体験することが大事なんだね。
水野:若い世代のみなさん、劇場で待ってます!
(終わり)
ゲスト・プロフィール 水野美紀(みずの・みき)
三重県四日市市出身。女優。テレビドラマや映画、CM等映像分野で活躍しながら、舞台にも活動の場を広げる。2007年演劇ユニット「プロペラ犬」を、作家楠野一郎と共同主宰で設立。
ホスト・プロフィール 川本成(かわもと・なる)
欽ちゃん劇団1期生として在籍。1994年“あさりど”結成。主な出演番組としてTV『笑っていいとも!』9代目いいとも青年隊、『王様のブランチ』他、TV・ラジオ・舞台に多数出演。現在はTV『スタイルプラス』、ラジオ『ナルウザクスダの!』へのレギュラー出演や、アニメ『テニスの王子様』、『遊戯王デュエルモンスターズGX』、『GON』、『義風堂々!!』他で声優として活躍の場を広げ、舞台では『小堺クンのおすましでSHOW』、『冒険者たち』、『男子はだまってなさいよ!聖バカコント』他、自ら『時速246億』を主宰し、定期的かつ精力的に舞台をプロデュースしている。
★お知らせ その1★
川本成さん出演イベントのお知らせです!
結成6周年だからなんかしちゃう日☆夜の部~ナルウザクスダの!公開収録 Vol.8~
日時:2014年9月20日(土)18:00開場 18:30開演
会場:阿佐ヶ谷ロフトA http://www.loft-prj.co.jp/lofta/ 出演:川本成・UZA・楠田敏之 *ゲストも予定しています(後日発表)料金:前売・当日¥2,000(全席自由・整理番号付)*別途飲食代が必要となりますチケット:ローソンチケットhttp://l-tike.com/ <Lコード31484>にて発売中
★お知らせ その2★
川本成さん出演イベントのお知らせです!
モエオチ!~小林ゆう独演会 其の肆~
日時:9月28日(日)12:00開演
会場:ニッポン放送イマジンスタジオ
出演:小林ゆう
ゲスト:川本成
料金:¥3,000/グッズ付き¥4,000(全席指定)
チケット:e+にて9月15日(月)12:00~一般発売開始
お問合せ:Age Global Networks TEL03-3587-2120