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SPECIAL! ミュージカル『GOLD〜カミーユとロダン〜』公演レポ
12月7日(水)、ミュージカル『GOLD〜カミーユとロダン〜』の公開舞台稽古と囲み取材が行われました。
INTERVIEW & SPECIAL 2011 12/9 UPDATE
本作は、現代彫刻の巨匠、オーギュスト・ロダンと、その弟子で愛人だったカミーユ・クローデルの人生を描いたミュージカルです。24歳年の離れた師弟で、芸術家同士でもあるふたりの激しく苦しい愛、そしてカミーユと家族との葛藤を軸にした深く波乱に満ちた物語。
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舞台は19世紀のフランス。田舎町に生まれたカミーユ・クローデルの頭を占めるのは年頃になっても彫刻のことばかり。娘を見守る父親は、カミーユの才能を育てるために、妻の反対を押し切り一家でパリに引っ越します。
ある日パリのアトリエで、カミーユは新進気鋭の彫刻家ロダンに出会い、才能を認められて助手になります。ふたりは互いに引かれあい、やがて愛し合うように。しかしロダンには長年連れ添った内妻がいました。
カミーユは、世間にはロダンの愛人と陰口を言われ、才能があるのに女性であるが故に個展を開くこともできず、深く苦しみます。そして発表の場を求め、ロダンの元を去るのですが……。
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若く美しく才能にあふれた芸術家・カミーユを演じたのは新妻聖子さん。ややエキセントリックな性格のカミーユが、新妻さんのくるくると変わる表情でかわいらしく魅力的に見える一方、胸の内を切々と訴える歌には、聞いていて苦しくなるほど圧倒されました。
また、カミーユを深く愛し求めながら、許しあえず信頼を得られないロダンの苦悩を、石丸幹二さんが熱演。大人の包容力と男のエゴ、芸術家の業を併せ持った姿を、深みのある芝居で演じきりました。
公開舞台稽古の前に行われた囲み取材には、ふたりのほかにカミーユの母親役の根岸季衣さん、弟・ポール役の伊礼彼方さん、父親役の西岡徳馬さんが参加。
5人はそれぞれ師匠について聞かれて「つかこうへい事務所でデビューして、20代を一緒に駆け抜けてきました。そのありがたさが当時はわからなかったけれど、体力が落ちてきた最近になって当時のことをよく思い出します」(根岸)、「作品が師匠、というとかっこいい感じになってしまいますが、毎回作品から多くのものをもらっています」(伊礼)、「今は白井師匠(本作の演出家、白井晃さん)にすがりついています。あとは共演者の皆さんをその場その場で師匠にして学んでいきたいです」(新妻)、「学ぶということは盗むということだと思っています。光るものを持っていらっしゃる方から盗んでいきたい」(石丸)、「(石丸さんの言葉を受けて)俺ほどの大泥棒はいない(笑)。若いころは杉浦直樹さんや津川雅彦さんからいいなと思ったものを盗みました」(西岡)とそれぞれコメントしました。
最後に新妻さんからこんなメッセージが。
「この作品は、自分の人生を放棄せずに完走するということはどういうことなんだろうとお客さまに問いかけるような作品です。人生の宝物、GOLDと呼べるようなものを、ご覧になった皆様のなかに残せればいいなと思っています。師走の忙しい時期と思いますが、ぜひ劇場にいらしてください」
ミュージカル『GOLD〜カミーユとロダン〜』は、日比谷 シアタークリエにて、12月28日(水)まで上演中。
[公演情報]
ミュージカル『GOLD〜カミーユとロダン〜』
シアタークリエ 12月8日(木)〜12月28日(水)
作曲:フランク・ワイルドホーン
脚本:ナン・ナイトン
訳詞:森雪之丞
上演台本/演出:白井晃
出演:新妻聖子 石丸幹二 伊礼彼方 根岸季衣 西岡徳馬 ほか
問い合わせ:東宝テレザーブ 03-3201-7777(9:30-17:30)
http://www.tohostage.com/gold/