インタビュー & 特集

SPECIAL! 『エリザベート TAKARAZUKA20周年 スペシャル・ガラ・コンサート』龍真咲さん

12月9日から大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演中の、『エリザベート TAKARAZUKA20周年 スペシャル・ガラ・コンサート』。
この公演で、2016年9月に宝塚歌劇団を退団した元月組トップスター・龍真咲さんは、フルコスチュームバージョンで、なんとエリザベートとルイジ・ルキーニの二役を演じます。女性らしい装いながらも、男役時代と変わらず溌剌とした龍さんの今の心境や、今後の展望まで伺いました。(取材・文/小野寺亜紀、撮影/熊谷仁男)

INTERVIEW & SPECIAL 2016 12/12 UPDATE

――今年9月に宝塚歌劇団を退団し、再出発をされた今の心境は?

 毎日が楽しいです! 退団後は旅行へ行き、SNSの世界へも足を踏み入れインスタグラムを始めました。セルフプロデュースが楽しいですね。私の個性というとやっぱり“自由”なのかな(笑)。色々なことに挑戦することを皆様がどう感じてくださるのか、そのお声も大切にしつつ、これからも自分を磨いていきたいです。

――退団後初の舞台が今コンサートになりますね。

 実は自分の卒業公演の千秋楽が終わるまでは、先のことを考えることができなくて。宝塚歌劇団を卒業した直後に、この舞台の出演を決めさせていただきました。退団後初の舞台がタカラヅカを基盤とした『エリザベート スペシャル・ガラ・コンサート』なのは、とても恵まれているなと思います。

――初めてエリザベートを演じるのは新たな挑戦ですね。

 そうですね、きっとこれからも何をするにあたっても挑戦は続いていくと思います。エリザベートについては、もし彼女が今の時代に存在していたらどうなっていたか、などと考えることがあります。現代は女性がどんどん前に出ていける社会ですが、エリザベートは時代的にも早く生まれ過ぎたのかな。時代も背景も異なるので彼女に共感できる部分と、そうでない部分があるけれど、現代の私たちに勇気を与えてくれる存在だなと思います。

――エリザベートが生涯求めていたものは何だったと思いますか?

 やはり自由を求め過ぎるからこそ、逆に自由という枠に縛られていたのだと思います。一方で何を求めていたのか、定まりきらないからこそ、彷徨い続けていたのかなと…。それはフランツと最後に歌うナンバー「夜のボート」でも感じます。二人の間で交わされることが単なるすれ違いではなく、一種の孤立した人間性を反映しているように感じます。

――麻路さきさん、彩輝なおさん、お二人のトートの印象はやはり違いますか?

 お二方とも個性が素晴らしいです。麻路さんは感情のスケールがとても大きいと感じます。私がファン時代、星組公演の『エリザベート』を観て、麻路さんのトートが白城あやかさんのエリザベートを初めて見た時の反応にすごく衝撃を受けたのです。きっとそれを超えることはできないと思うのですが(笑)、何か少しでも違うものを麻路さんに感じていただけるように、私なりのエリザベート像を創りたいなと思います。

――彩輝なおさん主演の『エリザベート』では、下級生として出演されていましたね。

 当時さえこさん(彩輝)のトートは、とても繊細な愛の持ち主なのかなと感じました。それはさえこさんご自身の私たち組子への愛情というものとリンクして見ていたところもあるのかもしれません。とても繊細で妖艶なトートだと思います。

――ルキーニを再び演じる意気込みは?

 2009年の月組公演ではトートとのつながりや、シシィ(エリザベート)への見方などを重視して役作りをしていたと思うのですが、今回はストーリーテラー的なところだけではなく、ルキーニの言動一つひとつに理由や意味がもっとあるように思うので、そこをしっかり突き詰めたいです。また歌唱の面でもより深いものを出していけたらなと思います。

――ルキーニの歌はリズムも難しそうですね。

 そうなんです、軽く歌おうと思ったら軽く歌えるけれど、シンコペーションや、軽めのもの、地を這うようなものと、歌い方のテイストで全然違ってくるので。もしかすると今までとは真逆のものが出てくるのかも。そこは時間の許す限り研究したいなと思っています。

――今年東宝版『エリザベート』もご覧になったようですが、『エリザベート』に今再び巡り合ったことをどのように感じていますか?

 大きな壁を頂けたのだと思います。挑戦し続けることが好きなので、今はまずしっかりと『エリザベート』という絵の中に入りたいと思います。

――今後は女優やアーティストなど、どのような活動を考えていますか?

 やっぱり私が出来ることと言ったら、皆様と共に笑顔になれることを創っていくことかなと思います。何かを創造するのは得意だし好きだなと感じるので、そういう方面でも新たな挑戦をしていきたいです。また、大好きな歌があるからこそ今まで続けてこられたので、今回もこのようなチャンスを頂けましたし、歌とも長く付き合っていけるよう、自分を鍛えていきたいなと思います。

※龍さんのインタビューのロングバージョン完全版と未公開写真は、2017年1月発売予定『omoshii mag vol.8』でお読みいただけます。

龍 真咲(りゅう まさき)
大阪府出身。2001年に宝塚歌劇団で初舞台を踏む。月組に配属され、新人公演や宝塚バウホール公演で主演を務める。2009年『エリザベート-愛と死の輪舞-』では、歴代最年少の研9でルキーニ役を熱演。2012年『ロミオとジュリエット』で月組トップスターに就任。妖精パックからスカーレット役まで幅広い役柄を演じ、2014年の宝塚歌劇団100周年記念公演では主演の重責を担う。また抜群の歌唱力を生かし、『1789-バスティーユの恋人たち-』日本初演を成功に導き、コンサートでは個性的なパフォーマンスでも魅了。2016年9月『NOBUNAGA<信長> -下天の夢-』『Forever LOVE!!』で宝塚歌劇団を退団し、今コンサートが退団後初の舞台となる。

【公演データ】
三井住友VISAカードpresents
『エリザベート TAKARAZUKA20周年 スペシャル・ガラ・コンサート』
脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽・編曲:シルヴェスター・リーヴァイ
オリジナルプロダクション:ウィーン劇場協会
構成・演出・訳詞:小池修一郎
演出:中村一徳
出演:一路真輝、麻路さき、高嶺ふぶき、稔幸、香寿たつき、えまおゆう、姿月あさと、白城あやか(東京公演のみ)、湖月わたる、月影瞳、彩輝なお、花總まり、安蘭けい、春野寿美礼、朝海ひかる、大空祐飛(東京公演のみ)、瀬奈じゅん(東京公演のみ)、水夏希、大鳥れい、霧矢大夢(大阪公演のみ)、紫城るい、白羽ゆり、凰稀かなめ(東京公演のみ)、龍真咲、ほか
<宝塚歌劇団>※特別出演
轟悠(東京公演のみ/大阪公演はビデオ出演)
京三紗、飛鳥裕、五峰亜季、美穂圭子、凪七瑠海(東京公演のみ)

◆大阪公演 12月9日(金)~18日(日) 梅田芸術劇場メインホール
◆東京公演 2017年1月8日(日)~20日(金) Bunkamura オーチャードホール
梅田芸術劇場 東京:0570-077-039  大阪:06-6377-3800

URL:http://www.umegei.com/elisabethgala20/index.html

 


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