インタビュー & 特集
INTERVIEW! 『僕等の図書室 特別授業』 三上真史さん×滝口幸広さん×原田優一さん part.2
俳優たちが国語の先生になって、物語を多彩な表現でリーディングする新感覚・朗読劇『僕等の図書室』シリーズの最新作「特別授業」がまもなく開講! レギュラーメンバーの三上さん、滝口さんと今回初参加の原田さんにお話をうかがいました。(撮影/熊谷仁男 文/臼井祥子)
INTERVIEW & SPECIAL 2016 12/24 UPDATE
(part.1から続く)
●もし皆さんが本当に学校の先生だったら、どんな先生になりそうですか?
原田 もし先生だったら自分が受け持った子を、どこに出しても恥ずかしくない子に育てたいな。
滝口 僕は授業の前に、生徒に選ばせる先生ですね。「ちゃんと教えてほしい」か「ちゃんと教えてほしくない」か。ちゃんと教えてほしいなら、教えるからお前らもちゃんとやれよと。
三上 なるほどね。
滝口 本当にそういう先生がいたんですよ。授業時間の半分くらいは映画を見せてくれたりしてて、でもそういう先生のほうが、かえってやる気って出るんですよね。「あの先生は教えてくれないから自分たちでやろうぜ」って思ってた。
●ちゃんと教えるほうのたっきー先生も選べるんですか?
滝口 それはみんな期待してないでしょ?(笑)
三上 たっきーはね、ちゃんと教えるとつまらなくなる(笑)。絶対面白くやったほうが面白い。
滝口 そういえばすごく溜める先生がいたんだよ。
原田 溜める?
滝口 「なんたらかんたらで、どうたらこうたらなことをしたんだけど、実はこの人……」ってすごい間をとって、「こうだったんだよ!」と。芝居がかった授業をしてくれて面白かった。そういうちょっと変な記憶に残る授業がしたいな。
三上 授業を授業としてやるとつまんないもんね。
原田 こんな授業があったらいい!って思える授業ができたらいいね。だって実際この舞台、ざっくり学べるんだもんね。
滝口 国語って気持ちを学ぶ授業だと思うんですよ。漢字とかだけじゃなくて、人の心や道徳を学べる教科。
三上 今回テーマは「愛」ですから。
原田 エンターテインメントとして何かを学べるっていいよね。興味がわくし、飽きずに観られるし。先生によってもカラーが違うからそれも楽しみですね。
●それぞれが読む作品について教えてください。
三上 僕は「クリスマス物語」を朗読します。
原田 これがいちばんアカデミックだよね。
三上 そうなんですよ。みんなクリスマスを祝ってるけど、クリスマスにはどういう起源があるのか、そういうことをあらためて学ぶ。それをポップに楽しくできたらいいですよね。脚本が西森英行さんなんですが、西森さんは元国語の先生なんですよ。国語の先生をやりながら劇団の演出もされていた方で、今回、国語の先生としてのあり方も一から教えていただけるんじゃないかと思います。
滝口 僕は「奥の細道」です。
三上 台本読んだらびっくりだよね。すごくコメディータッチで。
滝口 皆さんがどういう印象を「奥の細道」に持っていらっしゃるかわからないけど、堅苦しいイメージでいるなら、全然違う。僕が今まで「ぼくとしょ」で読ませていただいた作品、「星の王子様」や「智恵子抄」と比べると、本当にポップな作品になっています。俳句を詠んで、それがどういうことなのか紐解いていく、松尾芭蕉ナビゲーションという側面もあるから、ちゃんと授業にもなっているんじゃないかと思います。
原田 僕が読む「マッチ売りの少女」は、まあ、みんなが知っているお話は、最初の1ページで終わりまして…そこから、ですね。マッチを擦って30年…。
三上・滝口 はははははは。
原田 30年も続けているってことはすごく儲かっているかもしれない。
滝口 右に出るものはいないレベルで。
原田 はい。
三上 ひたすらマッチを擦るってすごいな(笑)
原田 何が起こるんだろうね?(笑)
滝口 相当だよね。30年。
原田 「マッチ売りの少女」をやるっていうだけで、破壊力のあるものになるだろうなって思われると思うので、そこをどう裏切れるか。期待値の高さを超えて「ああやっぱりよかったね」ってところまで行けるか。いいふうに期待を裏切れたらなって思っています。
●お客様には「ぼくとしょ」が素敵なクリスマスプレゼントになると思います。
三上 今回の公演ができるということが、僕らが皆さんから頂いたプレゼント、「愛」のおかげなので、そのお返しをしたいなと思います。
原田 僕らができる唯一のプレゼントは、エンターテインメントという形で皆さんに楽しんでいただくことで、一緒に過ごした時間を「よかった」と感じていただくことが最高のプレゼントだと思っています。なので、いいエンターテインメントをお見せします。そして大阪のお客様とは年末の「カウントダウン」を一緒にできるそうなので、いい2017年を迎えられるのが楽しみです。そうやってクリスマスや年末のような特別な時を一緒に過ごせるってご縁だと思います。大切な思い出になるように頑張ります。
滝口 僕は二人が言ってくれたので、もう言うことはないんですが、そうですね、まあ……………。
三上 本当にないんだ?(笑)
滝口 2年ぶりなので、僕らは本当に楽しいものを作りたい、作らないといけないっていう使命感も感じています。でも「ぼくとしょ」って、普通の舞台と違って、皆さんと一緒に作る・感じる舞台だと思うんですよ。なので、一緒に何かを共有する気持ちできてくれたらうれしいです。
[プロフィール]
みかみ・まさし
1983年6月20日生まれ、新潟県出身。
舞台『歳末明治座 る・フェア 年末だよ!みんな集合!!』(W主演)や舞台Dステ14th『十二夜』などで俳優として舞台や映画に出演する傍ら、NHK Eテレ『趣味の園芸』やTVK『猫のひたいほどワイド』にレギュラー出演するなど、多方面で活躍している。
たきぐち・ゆきひろ
1985年5月29日生まれ、千葉県出身。
ドラマ『戦国★男士』(主演)『仮面ライダードライブ』や、明治座公演『滝口炎上』(主演)、ミュージカル『TARO URASHIMA』など、さまざまな舞台や映像作品で活躍。トークバラエティ『モテ福』にレギュラー出演中。2016年12月30日放送のドラマ『不便な便利屋 2016 初雪』に出演。
はらだ・ゆういち
1982年9月1日生まれ、埼玉県出身。
ミュージカル 『レ・ミゼラブル』ガブローシュ役、アンジョルラス役、マリウス役や『ミス・サイゴン』クリス役、音楽劇『音楽劇 瀧廉太郎の友人、と知人とその他諸々』など、ミュージカルを中心に数多くの舞台で活躍。近年は、ミュージカル『bare -ベア-』などで、構成・演出も手がけている。
[公演情報]
『僕等の図書室 特別授業』
[東京]12月24日(土)〜27日(火) 有楽町朝日ホール
[大阪]12月31日(土) サンケイホールブリーゼ
監修:板垣恭一 演出:西森英行 音楽・ピアノ演奏:伊藤靖浩
出演:三上真史 滝口幸広 中村龍介 井深克彦/木ノ本嶺浩 原田優一
A 三上の『クリスマス物語』(三上真史ft.木ノ本嶺浩&中村龍介) 脚本:西森英行
B たっきーの『奥のほそ道』(滝口幸広ft.三上真史&木ノ本嶺浩) 脚本:吉増裕士
C りゅうの『たけくらべ』(中村龍介ft.滝口幸広&井深克彦) 脚本:登米裕一
D かっちの『不思議の国のアリス』(井深克彦ft.全キャスト) 脚本:ほさかよう
E みねの『細川忠興とその妻』(木ノ本嶺浩ft.原田優一&三上真史) 脚本:赤澤ムック
F 『マッチ売りの少女』原田(原田優一ft.中村龍介&滝口幸広) 脚本:加藤啓