インタビュー & 特集
INTERVIEW!『お気に召すまま』柚希礼音さん
2017年、ロックでポップなシェイクスピア喜劇『お気に召すまま』がシアタークリエに登場! 演出にトニー賞を受賞した鬼才マイケル・メイヤー氏、音楽には同じくトニー賞受賞のトム・キット氏を迎え、宝塚歌劇団元星組トップスター柚希礼音さんが、ヒロイン・ロザリンド役で出演します。 稽古まっただ中の柚希さんに、お話をうかがいました。
(文/小柳照久、撮影/熊谷仁男、ヘアメイク/CHIHARU、スタイリング/田中雅美、取材協力/文月カナ)
INTERVIEW & SPECIAL 2016 12/30 UPDATE
――今回、ご出演されるシェイクスピア喜劇『お気に召すまま』について、台本を読んだときの印象を教えていただけますか?
台本を読ませていただいて、すごくかわいくて、とてもハッピーなラブ・コメディで、まずお正月公演にピッタリだと思いました。元々のシェイクスピアの戯曲が素晴らしいので、権力・男女・恋人関係など、さまざまな入れ代わりがあり、権力争いや恋模様、兄弟の確執など、時代を移しても応用が効いていてワクワクする作品になっていると思います。
――柚希さんの演じるヒロイン・ロザリンドは、どんな女性ですか?
ロザリンドって、好きになった男性に振りむいてもらうために男装までする、すごく積極的な女の子で、グイグイ迫っていく姿がすごく笑えます。私自身はこんなに積極的にはなれませんが(笑)、思いっきり楽しんで演じられそうです。
――ロザリンド、といいつつ、ほとんどのシーンが、彼女が男に変装している「ギャミニード」として舞台に立つことになりますが、男役をやってきているから、その部分は安心ですね。
それが、意外とそう簡単ではなくて、今回は、長年培ってきた男役芸を見せるのではなく、身分を隠して男に見せている女性の男装。ですので、また違うんです。しかも、お小姓という若い男の子なので(笑)、男役のようなしっかりした感じとは違い、チャーミングでコケティッシュな男の子を演じたいですから。逆に男として板につきすぎないよう気をつけなければ(笑)。
――退団後はダンス主体の作品や『バイオハザード』のようなハードな役などが続いていたので、愛らしい女の子を演じる柚希さんにもファンの皆さんはドキドキ&ワクワクされてるのではないでしょうか。
ダンスでは女の子として踊ったことがありますけれど、お芝居で女の子を演じるのは、ね(笑)。ロザリンドの登場の場面、短いとはいえ、初めてのちゃんとした女の子役なので、どのように歩くか、どのように立ってるか、さらには、ワンピース姿になるので、最初はとても戸惑っていたのですが、演出のマイケルさんが実演してくださるロザリンドがとても可愛いので、その真似をしてやってます(笑)。ロザリンドがオーランドに、何とか好きになってもらうためにあの手この手を使って頑張るのを、お客様に「わかる!」と、思われるような女の子として演じたいです。
――マイケル・メイヤーさんと仕事ができると聞いたときはいかがでしたか?
なんて光栄なんだろうと。私は常日頃、台本を読んだときに「ここはどういう解釈なんだろう?」と思うと、そのまま放っておくと気持ち悪いので、自分が納得いくところまで演出家とことんお話をするのですが、今回も遠慮なくいろいろお伺いしています。毎日、本当にすごい方だなと実感してます。
――具体的には、どのようなところで、スゴイと実感なさっていますか?
(※インタビューの時点では)今は、まだ1週間しか稽古してないんですが、ロザリンドを演じるにあたり「君に足りないのは○○と△△だ」というふうに、マイケルさんから、具体的で厳しい指摘を受けています。今まで経験してきた稽古のペースだと、1週間くらいだとまだ台詞を覚えたり、位置や動きを確認している段階なのですが、今回は、今の時点から、歩き方一つから見た目までにもこだわってくださり、その都度「なぜこうしたほうがよいのか」という意味まで教えてくださるので、今は、毎日必死です(笑)。ゴールを示してくださりながらのダメ出しなので、とてもありがたいし、このタイミングで、マイケルさんに出会えた私は幸せ者だなと感じています。
――公演を楽しみにしているお客様にメッセージをお願いいたします。
稽古中で、挑戦することが山のようにありますが、生き生きとしたロザリンドとして、私も楽しみながら、舞台を暴れまわるつもりです。多彩なメンバーとまた新しい自分を、チャーミングにキュートに創っていければと思っています。ご一緒に楽しい新年の初めを迎えられたらと思いますので、ぜひ劇場にいらしてください!
ゆずき・れおん
1999年、85期生として宝塚歌劇団入団。雪組『ノバ・ボサ・ノバ』で初舞台を踏み、その後、星組に配属。2009年星組トップスターに就任。6年にわたりトップを務め、宝塚歌劇団初となる台湾公演の実現や、武道館リサイタルの成功など、宝塚歌劇100周年の顔となる活躍を見せた。2015年5月に退団。退団後は、『プリンス・オブ・ブロードウェイ』『ミュージカル バイオハザード-ヴォイス・オブ・ガイア-』などに出演。『お気に召すまま』のあとには、3月にソロ・コンサート『REON JACK2』が決まっている。
★柚希礼音さんのロングインタビュー&未公開写真が、2017年1月17日(火)発売の『omoshii mag オモシィ・マグ vol.8-特集:タカラヅカOG Special』に掲載されます。マイケル・メイヤーさんのインタビューもあります。お楽しみに!
『お気に召すまま』
[東京公演]1月4日(水)~2月4日(土)シアタークリエ
[問]東宝テレザーブ03-3201-7777(9:30~17:30)
[大阪公演]2月7日(火)~12日(日)梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
[問]梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ06-6377-3888
[香川公演]2月15日(木)レクザムホール 大ホール
[福岡公演]2月24日(金)~26日(日)福岡キャナルシティ劇場
作:ウィリアム・シェイクスピア
演出:マイケル・メイヤー
音楽:トム・キット
出演:柚希礼音、ジュリアン、橋本さとし、横田栄司、伊礼彼方、芋洗坂係長、平野良、古畑新之、マイコ、小野武彦 ほか
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