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INTERVIEW!『スパークリング・ヴォイスⅡ-10人の貴公子たち-』真琴つばささん&彩吹真央さん
2016年にシアタークリエで上演され大好評だった『スパークリング・ヴォイス -10人の貴公子たち-』の第2弾『スパークリング・ヴォイスⅡ-10人の貴公子たち-』が2017年3月9日~15日シアタークリエ、3月22日~23日サンケイホールブリーゼにて上演されます。前回から引き続き登場する真琴つばささん、彩吹真央さんにお話を伺いました!(撮影:熊谷仁男、文:小柳照久)
INTERVIEW & SPECIAL 2017 2/24 UPDATE
真琴つばささん
彩吹真央さん
「取材の時にね、椅子のどちら側に座るかでしゃべることが違うのよ。」という、真琴さんのカミングアウトでスタートした、真琴つばささんと彩吹真央さん対談。最高のエンターテイナーたちによるとびっきりのミュージカル・ショー『スパークリング・ヴォイスⅡ-10人の貴公子たち-』。通常のミュージカルではありえない、男女の枠を超えた選曲でおおいに盛り上がりました。
――2016年にシアタークリエで上演された『スパークリング・ヴォイス』の続編が早くも登場です。
真琴 今回は大阪にも行くのよ~!
彩吹 前回の打ち上げでも全国ツアーをしたいと話していましたし、嬉しいですね。
真琴 サブタイトルは、「10人の貴公子たち」ですから。宝塚出身の中でも、男役たちでなければ、男性の方たちと合わせて「貴公子」という肩書きが成立しないんですよ。同志がたくさんいる感じがしました!
彩吹 宝塚では組が違ったりして、一緒の舞台に立つことはなかったとしても、宝塚出身者というだけで繋がっている「絆」を、下級生ながら前回感じました。改めて宝塚って良いところだなぁと。
真琴 私たち、宝塚時代は一回も同じ舞台に立っていないんだよね。
彩吹 えっと…実は私、入団一年目で組配属前の組回りで、ご一緒しているんです。マミさん(真琴)がロンドン公演ご出演の関係で、途中から参加された月組の『エールの残照』の時で、一番端っこにいました。
真琴 あ、いたよね、いたよね(笑)。東京公演だけだったけど、覚えてるわ、すごく!(笑)。
彩吹 (笑)、覚えてらっしゃらないのが当然なので、大丈夫です(笑)。
真琴 私は、自分が宝塚退団後に、まだ在団中だったユミコ(彩吹)と一緒にラジオ出演したことがすごく思い出に残ってる。舞台での接点ではやっぱり、前回の『スパークリング・ヴォイス』。隣り合ったレールを走っていた二人が、やっとクロスした感じがします。
彩吹 在団中は他の組だったんですけど、よく拝見していました。
真琴 ユミコは何期生? 私は71期生。
彩吹 80期生です。
真琴 9期違ったのね!
――『スパークリング・ヴォイス』は宝塚OGだけの公演ではなく、男性俳優と共演し、その中で男歌を歌うという、面白いコンセプトですね。前回は男性も女歌を歌ってらっしゃいました。男性とともに男性の歌を歌う気持ちはどんな感じですか?
真琴 退団してだいぶ経つので、女性だけの中で突然男性の歌を歌うと「どうした?」と思われそうな気がするんですが、不思議と男性の俳優さんが一緒だと逆に恥ずかしくなかったりするんですよ。むしろ、男性が歌っているのを聴くと「私だって歌えるわよ!」という気分になります。
彩吹 私は男役時代も、高い声のパートを歌わせていただくことが多かったんです。
真琴 ユミコはもとの声が高かったのよね?
彩吹 退団後はさらに高い声が求められるので、学ぶことはたくさんあるんですけど、宝塚で16年間歌っていた声というのはそうそう消えないので、久しぶりに歌っても自然とその頃の声に戻れますね。変に緊張せず歌いやすいです。
真琴 声のベスト・ポジションみたいなものがあるんだよね。
彩吹 マミさんは宝塚時代、元々高かった声を頑張って低くされたと伺いましたが、改めて男役の歌を歌ってみていかがですか?
真琴 私は退団後も『アダムス・ファミリー』のモーティシアとか『ブラッド・ブラザーズ』のナレーターとか、低い声のままで演じられる作品しか出てないんです。ある意味、他の宝塚OGとは違った道を歩んでいるので、前回の『スパークリング・ヴォイス』でもちょっと異色な感じでした。
彩吹 前回の公演では『ラ・マンチャの男』のから「見果てぬ夢」とか、『RENT』の「One Song Glory」など歌われていましたよね。
真琴 ユミコの「サンセット大通り」は最高だった!
彩吹 『サンセット大通り』は出演していたんですが、テーマ曲はジョー役の田代万里生君が歌っていて、私は劇中では歌っていないんです。でも、一度自分もバリッと歌いたいなと思っていて、自分のコンサートで歌わせていただいたんですけれど、歌い甲斐がある曲なので、もう一度歌ってみたいなと。
真琴 ジェットコースターでずっと高いところを走っている感じだった! 関わっていた作品の別の役の歌を歌うのも面白いよね。
彩吹 男役だったらやりたかった役ですね。『サンセット大通り』は、主演の安蘭けいさんも舞台袖で一緒にジョーの歌うテーマ曲を歌っていましたよ。ドレス姿なのにジョーの歌を口ずさんでいるので「あ、トウコさん(安蘭)も歌いたいんだな」って思ってました。
真琴 私たち、男性の歌に共感しやすいのよね。
彩吹 男性が歌っていると、私も歌いたくなります。
真琴 『サンセット大通り』は宝塚でやっていてもおかしくない雰囲気の作品よね。ユミコのスーツ姿が浮かんできた。
彩吹 あ、嬉しい。マミさんも『エリザベート』の「キッチュ」歌われていましたよね。
真琴 「キッチュ」はクリエのコンサートで何回か歌わせていただいてるし、実は現役時代『TCAスペシャル』のステージではトートもやっているんですよ。
彩吹 ルキーニもトートもお似合いになるし、あたかも持ち役みたいにアドリブの台詞をポッと入れるあたり、さすがエンターテイナーだなと思いながら拝見していました。
真琴 よく、「やっていたのかな?」って勘違いされます(笑)。
彩吹 もしトートを演じていたら、とか、ルキーニを演じていたらと、妄想していたのが現実になって、私も嬉しかったです。
真琴 いつか、出ていなかった人たちが集まる公演なんてあったら面白そう。
――楽しい前回公演でしたが、実はデュエットがなかったんですよね。
真琴 前回はソロ曲が多くて、打ち上げの時に「デュエットしたいね」ってみんなで言ってました。それが今回叶うんです。
――それは楽しみですね! どなたとデュエットを?
真琴 私は上口耕平君と歌います! 曲はまだ秘密ですが「10人の貴公子たち」なので、男性パート、それも、下のパートでハモリたいと思ってます(笑)。
彩吹 私は泉見洋平さんと歌わせていただきます。
真琴 前回、ゼロから立ち上げたショーなので、完成後にプラスαに気付くんですよね。あれもやりたかった、これもやりたかったって。今回は、そのプラスαの部分を実現できるかなって思っています。
彩吹 今回は男性メンバーが入れ替わりますが、私たち宝塚OGチームの「ル・ヴァイオレッツ」との共演で、どんなナンバーを歌おうか相談中です。普段、ミュージカルの舞台に立たれている方が多いので楽しみです。
真琴 デュエットはソロと違って、一緒に歌う方の声質によって仕上がりが全然変わってくるんですよ。ただ、私の声って男声と女声の中間の音域、どちらかというと男声寄りだったりするので、「男性と歌うと私の声が活かされるかも」という期待があります。
彩吹 上口君だったら高いパートを歌ってくれそう。
真琴 以前「夜空のムコウ」を歌ったことがあるんですが、上口君は私の上のパートを歌っていましたよ。だから、私が下のパートも十分ありうるかも。ユミコはどちらのパートでも行けそう?
彩吹 求められたらもちろん下も歌っちゃいますよ(笑)。泉見さんは初共演ですが、舞台は拝見しているので楽しみです。マミさんは初めて共演する方はいらっしゃいますか?
真琴 舞台でがっつり組むのは初めての方ばかり。でも、同世代の男性俳優さんたちは同級生もいるので心強いです。
――それでは『スパークリング・ヴォイスII』にむけて読者へのメッセージをお願いいたします。
彩吹 去年の経験を活かして、聴き応えのある曲たちがスパーリングしますので楽しみにしていてください。
真琴 前回よりもさらにパワーアップした、スパーリングした声をお届けできる予感がしています。私たちはみんなスパークリングの泡なんです。飲むとパンチがありますよ!
『スパークリング・ヴォイスⅡ-10人の貴公子たち-』
2017年3月9日~15日シアタークリエ
2017年3月22日~23日サンケイホールブリーゼ
構成·監修:荻田浩一 演出:伴·眞里子 音楽スーパーバイザー:塩田明弘 音楽監督:竹内聡
出演:涼風真世、真琴つばさ、香寿たつき、姿月あさと、彩吹真央
石川禅、泉見洋平、上口耕平、上原理生、藤岡正明