インタビュー & 特集

「宝塚歌劇団男子部」の物語『宝塚BOYS』。対談Part1は良知真次さん×藤岡正明さん

8月4日(土)、初日を迎えた『宝塚BOYS』。2007年初演から何度も再演され、今回は初の「team SEA」「team SKY」2チームによる公演です。2日連続でそれぞれのチームに突撃! まずは現在、公演まっただ中の「team SEA」良知真次さん×藤岡正明さんに、本作にかける思いをお伺いしました!(文/金井まゆみ、撮影/笹井タカマサ、舞台写真/Takayuki Sakurai)

INTERVIEW & SPECIAL 2018 8/7 UPDATE

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昭和20(1945)〜29(1954)年、女性だけの劇団・宝塚歌劇団に「男子部」があったという史実。「宝塚の大劇場に立ちたい」という彼らの姿を描いた『宝塚BOYS』は2007年に上演されると大きな反響を呼び、2008年、2010年、2013年と新たなキャストによって上演され続けてきました。5年ぶりの復活となる今回は、初の「team SEA」「team SKY」2チームによる公演。「team SEA」でリーダーの上原を演じる良知真次さんは2013年に、そして宝塚のオーケストラメンバーだった太田川を演じる藤岡正明さんは2010年に、共に電気屋だった竹内を演じていました。

——おふたりとも、今回は別の役への挑戦ですね。

良知 僕は2008年の再演を劇場で観て、マサ(藤岡)が出た公演もDVDで観ています。演じる人が違えば、役もどんどん変わってくる。それが、(鈴木)裕美さんの演出の見どころでもあります。

藤岡 僕は、関西弁の役を演じるのはこれが初めてなんです。いつかはそういう役も来ると思ってはいたけど、実際にやってみると大変ですね。でも、演じていてとても楽しくて。どの役も魅力的だし、お互いのやりとりの中でその人のキャラクターが見えてくる、チームプレイで仕上げていく作品でもありますし。

DSC_1558——良知さんの上原は、いかがでしょう?

藤岡 面白いですよ。上原は責任感があるけどちょいちょいヌケていて、みんなに振り回されてはジタバタしている。それを、これまでの経験と、良知なりの上原の面白みとで、本来みんなをきちんとまとめられる大将である良知自身といい具合に折り合いをつけている。「上原、バカだなぁ(笑)」と、とってもかわいいんですよ。

——今回はダブルチーム体制ですね。

良知 それぞれのチームで、芝居がまったく違います。年齢を重ねた僕たちとしては、年齢なりの重みと、作品のメッセージをより濃く伝えなければいけないと思っています。そうではなくては、2チーム作った意味がありませんし。あえて言うならば永田(崇人)くんたちのチームの方が今までの『宝塚BOYS』に近い、若さや勢いでぶつかっていって“役を自分たちの方に引っ張ってくる”感じ。でも僕たちは、裕美さんも配役を決めるにあたって“演じることで役に寄り添っていく”ことを求めたのではないかと。まぁ、東山義久くんの(プロダンサーだった)星野だけは本人そのままですが(笑)。

——芝居としてより練り上げられたということでしょうか。

良知 今までにないものに挑戦している、という感覚はありますね。だからこそ、上原としては引き算の芝居をしています。普段は自分の思いを含めていろいろな提案をしていくようにしていますが、今回は自分の気持ちに一旦蓋をして、みんなの意見を聞いて創っていく。そういうところからも、上原らしさを出していければと思います。

——藤岡さんの太田川については、いかがですか?

DSC_1539良知 初の関西弁挑戦だそうですが、自分の台本に譜面みたいに書き込んで、音程で関西弁の練習をする人は初めて見ました。

藤岡 本当に(驚)!?

良知 聞いて覚えるのはよくあるけど、イントネーションを音符のように書くのは初めてだよ。マサのアーティストとしての才能から来る部分なんだろうね。それに、音楽のことはマサがまとめてくれる。チームの中に音楽監督がいるようなもので、本当に心強い。太田川は普段のマサとは違う感じだけど、テンションの高さやみんなを盛り上げる姿は、一緒にご飯を食べたりお酒を飲んだりしている時のマサの感じ。引っ張られるし乗せられるし、楽しい気持ちになる、みんなのムードメーカー。そこに愛着がわきますね。

——それぞれ魅力あふれる姿を見せていただけそうですね。特にお気に入りのシーン、あるいはセリフを教えていただけますか?

藤岡 僕は第7場で、太田川以外の6人が(寮母の)君原さんと踊るシーンです。みんなで台本を見ながら「パリの公園」の場面を演じていくんですけど、竹内を演じていた時も大好きだったんです。2幕ではみんな悲しい思いばかりしているなか、(クライマックスの)レビューのシーンまでで唯一、彼らがいきいきと喜んでいる場面ですから。それだけに、とても大事に演じていました。でも今回、太田川として稽古を見ていて、みんなが微笑ましければ微笑ましいほど「自分はここにいないんだ」と寂しい気持ちになりました。それも、芝居に反映していけると思います。

良知 上原が「清く正しく美しく」(と書かれた額)を見る場面がありますが、彼が見ることによって、お客様の目にもこの言葉が飛び込んでくる。今も宝塚に掲げられていますし、僕が(2017年宝塚月組公演『瑠璃色の刻』フィナーレで振付を担当して)宝塚の稽古場に入る時にも実際に見ました。歌劇団の創設者である小林一三先生のお言葉ですし、この作品にとっても大きな意味のある言葉です。何より、僕自身にとっても特別な思いがありますから、“ただ見る”にしてもこだわりたいと思っています。

——「team SEA」がとても楽しみになってきました。

藤岡 良知の上原は、もうばっちりだよね。

良知 そんなことないよ。どうしたらいいか、まいってるよ。自分から何か面白いことをするのではなく、みんなが面白いことをして、それに対する優しさが空回りしていく。ある意味自分に蓋をする作業だから、大きな挑戦で。みんなによってどう振り回されてしまうのか、そこがお客様に楽しんでいただける見せ場になるよう、頑張るだけです。

藤岡 と言っていますが、良知のことですから大丈夫でしょう! 裕美さんの下、力を合わせていい作品を創りあげていきたいと思います。

※明日は、team SKY の対談です! お楽しみに!! 

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 ※8月12日発売の『omoshii mag vol.13』 でも、「team SEA」「team SKY」、両チームのアナザー・バージョンの対談とお写真を掲載! ぜひチェックしてみてください!!

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らち・しんじ●1983年生まれ、東京都出身。15歳でデビュー。2004年から劇団四季に在籍。退団後は舞台・映像・振付家など幅広く活躍。近年の出演作に舞台『幕末ロック』、ミュージカル『陰陽師』~平安絵巻~など。

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ふじおか・まさあき●1982年生まれ、東京都出身。2001年歌手デビュー。ミュージカルデビューは2005年『レ・ミゼラブル』で、以降、『ミス・サイゴン』『ジャージー・ボーイズ』ほか多数の名作・話題作に出演している。

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『宝塚BOYS』
原案:辻 則彦「男たちの宝塚」(神戸新聞総合出版センター刊)より
作:中島淳彦 演出:鈴木裕美
東京公演/2018年8月4日(土)~8月19日(日) 東京芸術劇場 プレイハウス
※team SEAは8月4日~11日に出演
名古屋公演/2018年8月22日(水) 
日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール ※team SKYのみ
久留米公演/2018年8月25日(土)~ 8月26日(日)
久留米シティプラザ ザ・グランドホール ※team SKYのみ
大阪公演/2018年8月31日(金)~9月2日(日) サンケイホールブリーゼ ※team SKYのみ
出演:team SEA、team SKY
team SEA/良知真次、藤岡正明、上山竜治、木内健人、百名ヒロキ、石井一彰、東山義久
愛華みれ、山西惇
team SKY/永田崇人、溝口琢矢、塩田康平、富田健太郎、山口大地、川原一馬、中塚皓平
愛華みれ、山西 惇

 

お問い合わせ:
東京公演/サンライズプロモーション東京 0570-00-3337 (10:00~18:00)
名古屋公演/キョードー東海 052-972-7466 (月~土10:00~19:00 日・祝休)
久留米公演/ピクニック チケットセンター 050-3539-8330 (平日11:00~17:00)
大阪公演/ブリーゼチケットセンター 06-6341-8888 (11:00~18:00)

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