インタビュー & 特集
INTERVIEW! 舞台『少年探偵団』に主演する佐藤永典さん – Part.2
この秋、江戸川乱歩の『怪人と少年探偵』を原作にした舞台『少年探偵団』が上演されます。小林少年率いる少年探偵団が、人形に扮した宝石泥棒「人形怪盗」を追い、謎の解明に挑む探偵冒険活劇です。
この舞台で主役の小林少年役を演じるのは、人気若手俳優・佐藤永典さん。2011年2月に3都市で行われた*pnish*プロデュースの舞台『黄金仮面』で、同じ小林少年を演じ、ストーリーテラーとして進行役でも活躍した佐藤さんが、初座長を務めます。
まだ稽古が始まる前の佐藤さんに、お話をうかがいました。
(撮影/笹井孝祐 取材・文/アンファン)
INTERVIEW & SPECIAL 2011 10/4 UPDATE
●インタビュー2
——『黄金仮面』の後、青山円形劇場で上演した『遠ざかるネバーランド』に出演なさいましたね。
「はい。あれは僕は舞台ではあまり演じたことのない等身大の役で、実はああいう役を一度やってみたかったんです。だからすごくうれしかったし、やりがいがありました。稽古が2週間しかなかったのが残念でしたけど。それまでの舞台では濃い役が多かったんですよね。それが初めて普通の高校生の役をやって、普通の言葉をしゃべって、すごく勉強になりました。場所も初めての青山円形劇場で、後ろも全部観られているというのが不思議な感じでした。でも始まっちゃうと、それはあまり気にならなかったです」
——その青山円形劇場で、今度は座長です。
「楽しみなんですよ。みんな若いっていうか、僕より年下の役者さんがほとんどで、それがびっくりで、新鮮です」
——これまでの佐藤さんは、お兄さんたちにかわいがられる弟みたいな立ち位置のイメージがあったのですが、今度はみんなのお兄さんですね。
「でもいつもどおりなんじゃないかな(笑)。ツッコんでくれる人がいるかが心配なんですけど。一緒に舞台に立ったことのある方が今回あまりいないんです。『黄金仮面』に出ていたのも平井浩基だけで。みんなで集まるとどんな感じになるのかな。チームワークはよくしないとですよね、探偵団だから。現場の雰囲気は伝わるだろうから、そこは頑張っていこうかなと思ってます。でもきっとコーラをあげればいいんじゃないかなって思ってるんですけど」
——コーラをみんなにおごれば?
「うん。コーラおごれば。あ、あとつけ麺。つけ麺とコーラおごれば大丈夫ですよ、きっと(笑)。タッキー(滝口幸広さん。佐藤さんと同事務所の俳優)に教えてもらったんですけど、稽古場の近くにおいしいつけ麺屋さんがあるから、そこにみんなを連れていきます!」
——そうやってチームワークを高めていくわけですね。
「そこが大事ですからね。子どもの役だし、それに実際みんな子どもだし。僕は大人ですからね。もう21歳ですから(笑)。お酒も飲めますからね。一杯しか飲めないですけど。お酒弱いんです(笑々)」
——稽古が始まるのが楽しみですね。
「石倉良信さんや細見大輔さんというベテランの俳優さんもいるので、みんなでアドバイスをいただいてやっていきたいです。僕は練習をたくさんやりたい派なので、一緒に頑張ってくれる練習熱心なメンバーだったらいいなと思います。一か月稽古をやったら、0点が5点くらいになるところ、その間、死ぬ気で頑張ったら10点くらいにはなるじゃないですか。だから稽古をたくさんやっていきたいです」
——小林少年という役にはどんなイメージを持っていますか?
「『黄金仮面』の時は、今の自分くらいの年齢で語っている、という体でやって、明智先生との出会いの時に初めて子どもっぽさを出しました。ストーリーテラーとしては若者、でも物語の中に入って小林少年を演じる時は子ども。今回はたぶんその子どもの時の小林少年をやるんだと思います。ひと言で言うと知的な少年です。頭がよくて、切れる、でも子どもっぽさもある。うれしい時はすごくうれしくなったり、そういう素直なところがある。賢いのに、急に(年相応に)子どもっぽくなってうれしそうに話すとか、『黄金仮面』の時にその切り替えに苦労したんですが、そこは今回もつないでいくことかなと思います。
——演出の中野成樹さんは、今回が初めてですか?
「そうですね。今回は役者もスタッフのみなさんも初めての方が多いです。でも脚本の石井幸一は『黄金仮面』から引き続きで、また台詞が多いのかなとか(笑)、ドキドキですね。石井さんは、『子どもが頑張っている作品が最近好き』とおっしゃっていました。僕はよく若く見えるって言われますけど、映像じゃ小学生の役はできない。でも舞台なら僕にだって子どもの役ができる。そういうところは舞台だからこその醍醐味ですね」
——映像にはない舞台ならではの魅力ってありますよね。
「ありますね。幕が開く時と下りる時の、生の緊張感がすごく好き。稽古期間があるからみんなと仲良くなれて一緒に作っていけるのもいいです。何回も同じシーンができるし。舞台って大変だけど楽しいですね」
——江戸川乱歩の世界が、今回はどんなふうに舞台に表れるのかも楽しみです。
「江戸川乱歩の世界、面白いですよね。トリックとか、舞台でやったらどんなふうになるんだろう。でも『黄金仮面』とは違うふうになるんだろうなと思っているんで。少年たちの団結とかみんなで力を合わせている楽しさみたいなものも出ると思うし、子ども対大人の対決もある。僕たち少年探偵団の活躍で観ている方をワクワクハラハラさせたいです。ただ子どもたちが頑張っているというだけで終わらないようにしたい。でもまだどんな感じになるのか、僕にもわかんないんですよ。早く脚本を読みたいです。江戸川さんもきっと天国から見ていてくれると信じて、頑張ります!」
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●プロフィール
佐藤永典(さとう・ひさのり)
2008年ミュージカル『テニスの王子様』でデビュー。テレビ番組『ビットワールド』(NHK教育)や、主演映画『君へのメロディー』『ライトノベルの楽しい書き方』に出演。最近の主な舞台出演作品はミュージカル『冒険者たち』『マグダラなマリア』『遠ざかるネバーランド』など。現在、映画『行け!男子高校演劇部』(http://ikedan-movie.com/)が公開中。また今冬に映画『王様ゲーム』が公開予定。
●公演情報
『少年探偵団』
2011年10月5日(水)~16日(日)
青山円形劇場
原作:江戸川乱歩 『怪人と少年探偵』
脚本:石井幸一(一徳会/K・A・G) 演出:中野成樹
出演:佐藤永典 阿久津愼太郎(D2) 岩義人 鯨井康介 根岸拓哉(D2) 平井浩基/石倉良信/細見大輔
問い合わせ:ネルケプランニング 03-3715-5624 (平日11:00~18:00)
http://www.nelke.co.jp/stage/shonen-tanteidan2011/
(情報は2011年9月現在のものです)