インタビュー & 特集
INTERVIEW! ドラマ『Fallen Angel』&舞台『レシピエント』加藤和樹さん part1
役者としてアーティストとして、精力的に活動をつづける加藤和樹さん。2012年は1月に初めての主演連続ドラマ『Fallen Angel』が放送開始。さらに2月末から佐藤江梨子さんとのダブル主演舞台『レシピエント』が上演されます。ドラマの放送直前、舞台はまだ稽古が始まる前の1月中旬に、二つの主演作品を控えた加藤さんにお話をうかがいました。
(撮影/望月 研 取材・文/臼井祥子)
INTERVIEW & SPECIAL 2012 2/10 UPDATE
ドラマ『Fallen Angel』と舞台『レシピエント』はどちらも臓器移植をテーマにした作品。1月に放送が始まった『Fallen Angel』で加藤さんが演じるのは、数学においてずば抜けた能力を持つ、三人兄弟の長男・翼。弟の陸と二人で暮らしているところに、15年前に生き別れになった末の弟・海がやってくるところから物語が始まります。
「BS朝日さんからドラマのお話を頂いて台本を読んだら、これまでにやったことのない役ですごく面白いなと思いました。それでぜひやらせていただきたいとお返事しました。ストーリーもミステリーの要素が含まれていて先が見えないというか、奥が深い。お話を頂いた時にはまだ最後まで台本ができていなかったので、”この先はどうなるんだろう”ってワクワクして、これは絶対に面白い作品になるなと思いました。
撮影が始まったのは昨年末なんですが、その時はまだ最終的にどうなるのか知らなかったんですよ。闇の組織がどんなふうにからんでくるのかもわからなかった。わかっていたのは、三兄弟の兄弟愛が描かれた作品だっていうこと。
僕自身は三人兄弟の末っ子なんですが、昨年出演した舞台『愛が殺せとささやいた』で初めて兄の役をやらせていただいて、弟が欲しかったのでうれしかったです。それが今回は二人も弟ができたんですよ。
上の弟の陸は(植原)卓也にピッタリの役で、素直になれないちょっとツンツンした、いかにも次男らしい性格の弟です。卓也自身は長男なんですが、弟っぽいところがあるし、けっこう強がるタイプなので(笑)、陸と通じるところがありますね。
下の弟の海は北村匠海くんが演じたんですが、匠海はまだ中学生で、本当にすごくかわいい弟でした。今の中学生事情とか、どんなゲームが流行っているのかとか、いろいろ聞いて。13歳も年が離れているので、それだけ違うともう弟って感じでもないんですよね。むしろ子どもに近い感覚だったかも(笑)。
僕が演じる翼はすべてを受けとめる心の広い、そして芯の強いお兄ちゃん。役作りは難しいところもありましたが、匠海とは今回初共演で一緒に芝居を作っていって、海と翼も、15年間離れていたのにある日突然一緒に暮らしていくことになった。リアルとドラマの状況が似ていたので、そこは演技に反映されていったんじゃないかと思います。
翼は本当に面倒見のいい長男です。頭がよくて察しがよくて、海の心臓が弱いことも心配だし、お母さんのことも心配だし、弟たちを守らなければと思っている。翼のモデルは……僕の兄ではないですね(笑)。兄とは友達みたいな兄弟で、一緒にゲームやったり遊んだり、仲はいいけど守ってもらったりとかそういうのはなかったですね」
翼は、数学に天才的な能力を持っている役どころ。セリフ覚えのいい加藤さんも、そこは苦労したそう。
「数字が苦手なんですよ。言葉だけの長台詞なら、いくらでも入ってくるんだけど、数字が入ると急に覚えられなくなって。でもつっかえずにスラスラと言えないといけない。普通の人には絶対無理なレベルで当たり前のように言えないといけないので、家で死ぬほど繰り返して覚えました。本当に大変でした。
あと、苦労したというのではないですが、撮影がタイトなスケジュールで、役者とスタッフが力を合わせて乗り切ったことが印象に残っています。そういう中で僕にできることは、いかに現場を楽しくできるかってことなので、常に笑いのある現場にしようと心掛けていました。
楽しんでやる気持ちがないといいものは作れないと思っているんです。もちろんギリギリまで追い込まれて初めて出てくるものもあると思うんだけど、でも”またこのメンバーで芝居がやりたい”って、みんなに思ってもらえるような現場にしたいじゃないですか。それが自分の役割でもあると思っているので。特に今回は、初めて連ドラの主演で、その作品に仲間たちが出演してくれたことがうれしかったので、いい雰囲気の撮影現場にできてよかったです。
でもその分、終わってしまって少し寂しいですね。3人兄弟いつも一緒にいたから、もっと長く撮影していたかったな」
2月末から、舞台の出演も控えている加藤さん。映像の仕事と舞台の仕事では、演技に違いがあるのでしょうか。
「映像と舞台で、演技は変わります。サイズが違うので、表現の大きさも違うし台詞のトーンも違う。作品によりますけど、舞台はある程度大げさにやらないと伝わりづらいところもあります。でもそれをそのまま映像でやろうとすると演技が収まりきらないことがあるんです。それぞれのサイズに合わせた芝居が必要になってくる。
切り替えは難しいです。舞台の後で映像の仕事をやると”そんなに声を張らなくていいよ”って言われたり、すごく大げさなリアクションをしてしまって”そこまでやらないで”って言われたこともありました。逆に映像の仕事から舞台に入ると、今度は”芝居がちっちゃいよ”って言われるんですよ(笑)。きっちり切り替えてやらないといけないですね」
(part2に続く)
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[プロフィール]
加藤和樹
かとう・かずき
1984年10月7日生まれ、愛知県出身。
ミュージカル『テニスの王子様』跡部景吾役で脚光を浴びる。翻訳劇『罠』(主演)やロックミュージカル『King of the Blue』などの舞台に出演するかたわら、『ホタルノヒカリ』『インディゴの夜』など映像作品でも活躍。2006年にアーティストデビューし、5周年を迎えた2011年には東京、名古屋、兵庫の3都市でホールツアーを開催。秋には12か所で全国TOURを行った。2011年末に伊達幸志とユニットJOKERを結成。2012年5月3日にファーストライブを予定している。またミュージカル『コーヒープリンス1号店』(東京・青山劇場4月13日−21日、大阪・森ノ宮ピロティホール5月10日−13日)にも出演決定。
加藤和樹公式サイト●http://kazuki-kato.jp
JOKERツイッター●@JOKER_KD
『Fallen Angel』
BS朝日 毎週土曜 深夜2:00〜2:30
出演:加藤和樹、植原卓也、北村匠海、安澤千草、佐々木喜英、中村靖日、松本拓海、千葉雄大ほか
http://www.bs-asahi.co.jp/fallenangel/
『レシピエント』
2月29日(水)~3月11日(日) 紀伊國屋ホール
演出:G2 脚本:桝野幸宏
出演:佐藤江梨子 加藤和樹/橋本淳 大野拓朗 柳澤貴彦 吉川友/三上市朗
イメージソング:JOKER「pain」
問い合わせ:DHE@stage 03-5457-8883(平日11:00〜18:00)
公式ブログ:http://recipient.exblog.jp/