インタビュー & 特集
INTERVIEW! ドラマ、映画、そして初めてのミュージカルへ 池田純矢さん part1
『海賊戦隊ゴーカイジャー』で6人目の戦士・ゴーカイシルバー/伊狩鎧を演じてきた池田純矢さんに、最終回目前の『ゴーカイジャー』と、現在公開中の映画『犬の首輪とコロッケと』(沖縄国際映画祭出品作品)、そして4月に上演されるミュージカル『薄桜鬼』について、お話をうかがいました。
(写真/笹井孝祐 取材・文/臼井祥子)
INTERVIEW & SPECIAL 2012 2/15 UPDATE
●『海賊戦隊ゴーカイジャー』がもうすぐ最終回を迎えますね。
はい。去年の5月にクランクインしてそこから8か月やってきました。僕はヒーローに本当に憧れていたんですよ。それも男の子が小さいころに普通に「ヒーローになりたい」って言うような気持ちじゃなくて……。僕は昔、いじめられっこで友達がいなかったんです。そんなときにヒーロー番組に出会って助けられた。ヒーローたちは負けない、折れない心の強さを持っていたから、僕もそうなりたいと本気で思っていました。それで新空手を始めて、7年間続けました。あとボクシングもやっていました。
だからこの役に決まったときは簡単な気持ちじゃなかったです。自分でいいのかなとか。でも選ばれたからには、自分がもらったものを返したい。観てくださった方が「楽しかった」「かっこよかった」「明日も頑張ろう」っていう気持ちになってくれたらという思いでやってきました。もうすぐ最終回ですけど、自分が持っていた憧れを次の時代につなげられていたらいいなと思います。
●『ゴーカイジャー』はこれまでに登場したすべての戦隊の力を集めて「大いなる力」を手に入れるという作品で、過去の戦隊の戦士にも毎週変身していますね。
僕が一番好きなヒーローは『五星戦隊ダイレンジャー』の追加戦士(6人目として後から登場する戦士)のキバレンジャーなんですが、僕が演じるゴーカイシルバーも追加戦士なので、キバレンジャーに変身することができたんですよ。幼稚園のころ、将来の夢を書くときに「キバレンジャーになりたい」って書いたんですけど、実際になれることなんてまずないじゃないですか。でも僕はなれた。初めてキバレンジャーに「ゴーカイチェンジ」(変身)した後は、アフレコルームでちょっと泣きましたもん。うれしかったです。
●そして今、毎週東京ドームシティで、ヒーローショー出演していますが、実際にお客さんを前にしていかがですか。
舞台はお客さんの呼吸がわかるんですよね。ハッと息をのんだり、緊迫している場面では空気が張りつめていたり、技が決まった瞬間、ふわっと空気が上がる感じとかが、そのまま届く。しかも公演ごとに反応が違います。そういうのって舞台独特なものだなと思います。
すごいと思ったのは、子どもたちの応援です。劇中で「ゴーカイジャー、頑張れ!」って観客の子どもたちに応援される場面があるんですよ。毎日6公演というハードスケジュールなんですが、その瞬間、そんなの全然平気になります。子どもたちの声援を受けてゴーカイジャー頑張るっていうくだりなんだけど、僕ら自身もそうなんです。
●そんなヒーローのイメージとはまったく違う役を、映画『犬の首輪とコロッケと』では演じていらっしゃいます。
ヤンキースの長原成樹さんの自叙伝が原作の映画です。監督も長原さん。僕は主人公・セイキの幼なじみで漫才の相方になるタツヤ役なんですが、漫才の場面がともかく難しかったです。
ABC漫才・落語新人コンクール(現ABCお笑いグランプリ)で、ヤンキースが優勝した回の漫才を、一字一句そのまま、なんばグランド花月でやらせてもらったんです。6分半くらいある漫才で、台本がないんですよ。当時のビデオを観て、自分で台本を起こしました。相づちの「うん」とか「ああ」とか体の向きも全部台本にして、セイキ役の鎌苅健太くんとふたりでずーっと毎日毎日朝まで練習して。
芝居と漫才って全然違いますね。漫才はただ覚えてそのとおりにやるだけだと全然面白くなくて、空気感とかふたりの呼吸の合わせ方とかが肝心。撮影が終わって夜ホテルに帰ってきてから、どっちかの部屋で朝まで練習していました。
映画の最後にも漫才のシーンがあるんですが、そこは半分くらいアドリブなんです。台本には漫才をやるって書いてなくて、撮影当日、監督にやるって聞かされたんですよ。「え、あのネタをやればいいですか」って聞いたら「同じことやってもつまらんやん」って言われて、「えええー!」って(笑)。そこが一番大変でした。でもラストシーンだし、実際にラストに撮って、すごくいいシーンで……ともかくいろんな思いが詰まってます。映画も青春映画なんですけど、現場もものすごい青春な感じでした。
●どんなふうに青春でした?
ケンケン(鎌苅さん)と中村昌也くん、RUN&GUNの宮下雄也くんと僕、男4人で一緒に車で東京から大阪に行って、毎日一緒にごはん食べて、休みはなかったけど毎日一緒に遊んで。ホテルに戻ると、なぜか即興コントが始まったり(笑)。
ケンケンが最初にやりだしたのが、「テレビ嫌いのテレビ人」っていう役で「テレビにはだまされるから俺はテレビを観ない」って言って、みんなで「テレビはいいものだよ(かわいい作り声で)」って(笑)。たぶんこれ聞いてもよくわからないと思うんですけど(笑)、すっごい盛り上がりました。なんだろう。バカみたいなことしかしてないんですけど、楽しかったです。
撮影中はアクシデントもいっぱい起きたんですけど、そういうのもみんなで乗り越えられた。キャストもスタッフもほとんど大阪人で、大阪ロケだったのもあって、独特な現場の空気が気持ちよかったです。
●完成した映画を実際にご覧になっていかがでしたか。
沖縄国際映画祭の会場で初めて観たんですよ。男4人で並んで観てて、全員泣いてました。完成したフィルムを観たら、それがすごく自分たちのその時々の気持ちにシンクロしていて。ぐわーっと作品の中に入ってしまって、最後、みんなで泣いてました。それにお客さんと一緒に観たので、笑い声や泣く声が聞こえてきて、それにも感動しましたね。
(part2に続く)
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[プロフィール]
池田純矢
いけだ・じゅんや
1992年10月27日 大阪府出身
2011年、舞台abc☆赤坂ボーイズキャバレーSpin Off『ゲネプロ!』、ニコニコミュージカル 『ココロ』の2本の舞台を経て、『海賊戦隊ゴーカイジャー』にレギュラー出演。2012年1月に映画『犬の首輪とコロッケと』が公開。現在、海賊戦隊ゴーカイジャーショー『海賊集結!決めるぜファイナルウェーブ』に出演中。また2012年4月からミュージカル『薄桜鬼』に出演する。
公式ブログ●http://ameblo.jp/ikedajunya-blog/
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[放送・公演情報]
『海賊戦隊ゴーカイジャー』
テレビ朝日系 毎週日曜 朝7:30〜8:00
出演:小澤亮太、山田裕貴、清水一希、市道真央、小池唯、池田純矢 ほか
http://www.tv-asahi.co.jp/go-kai/
『犬の首輪とコロッケと』
2012年1月28日(土)よりシネマスクエアとうきゅう他でロードショー。
監督:長原成樹
出演:鎌苅健太、ちすん、中村昌也、宮下雄也(RUN&GUN)、池田純矢、波岡一喜、宮地真緒、街田しおん、松尾貴史、今田耕司(友情出演)、山口智充 ほか
http://www.inukoro.jp/
ミュージカル『薄桜鬼』斎藤 一 篇
2012年4月27日(金)〜5月8日(火)
脚本・演出:毛利亘宏
音楽:佐橋俊彦
出演:松田凌、廣瀬大介、吉田仁美/池田純矢、小野健斗、宮崎秋人、天野博一、森大、柏木佑介、江戸川卍丸、清水順二(30-DELUX)/鈴木勝吾/矢崎広
http://www.maql.co.jp/special/m-hakuoki/