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SPECIAL! DANCE ACT『ニジンスキー』初日ゲネプロ
4月1日より8日まで、天王洲・銀河劇場にて上演されている、DANCE ACT『ニジンスキー~神に愛された孤高の天才バレエダンサー~』。1日13時より、初日直前のゲネプロが行われました。
INTERVIEW & SPECIAL 2012 4/2 UPDATE
ロシアが生んだ孤高の天才バレエダンサー、ヴァーツラフ・ニジンスキーの壮絶な生涯を、語り部役の妹ブロニスラヴァ・ニジンスカをはじめ、愛人セルゲイ・ディアギレフ、妻ロモラ、兄スタニラフ、主治医フレンケルら、彼をめぐる人々との関係とともに描き出した荻田浩一さん脚本・演出の快作、DANCE ACT『ニジンスキー~神に愛された孤高の天才バレエダンサー~』。
18歳でロシア・マリインスキー劇場の主役に抜擢、その後ディアギレフと同性愛で結ばれ、『薔薇の精』や『牧神の午後』などで、伝説的な天才ダンサー・振付家として名をはせたニジンスキー。ところが、社会情勢、倒錯した愛情、兄の発狂などによって、次第に精神を蝕まれ、兄の死をきっかけに、ついには完全に心を病んでしまいます。ニジンスキーの人生があまりにも壮絶で、全体的にずっしりと重い舞台ですが、心のバランスを崩し、ずっともの悲しげな表情だったニジンスキーが、天国で解放されたように楽しげに笑う姿をみて、ようやく救われた気分になりました。
東山義久さんのニジンスキーは、天才ならではの不安定さを巧みに表現していて秀逸でしたが、やはり圧巻はそのダンス。儚い佇まいが、踊りだすと一変し、劇場中の空気を変える――。ニジンスキーがのりうつったかのような激しく狂おしいほどの舞いに、時間のたつのもすっかり忘れました。
周りを固めた俳優陣のクオリティーも高かった! 岡幸二郎さんの演じた嫉妬深いディアギレフ、遠野あすかさんと佐野大樹さんが演じた不倫に溺れ掛けている妻ロモラと医師フレンケル、そして安寿ミラさんが演じたちょっと皮肉屋っぽいけど兄をとても愛している妹ニジンスカ。見目麗しい俳優陣がそろっている上に、時空を超えた幾何学的なセットの中にありながら、どの人物も確実に目の前で生きていました。
改めて感じたのは、岡さんの安定感もさることながら、佐野大樹さんにシックな役のとても似合うこと。そして個人的収穫は、若きニジンスキーを演じた長澤風海さんという逸材を発見できたこと(というか、知る人ぞ知る存在だったんですね!)。
見ごたえたっぷりのDANCE ACT『ニジンスキー~神に愛された孤高の天才バレエダンサー~』。東山さんの代表作のひとつになることは間違いないと確信しました。
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