演劇 & エンタメ系 WEBマガジン omoshii

心霊特集のため、ドキュメンタリー映像を撮ろうと、マンションに話題の霊能カウンセラーを招いたディレクター。だがその部屋、実は……え、出るんですか?!　昨年、東日本大震災の影響で３日間のみ上演された『スピリチュアルな１日』が、さらにパワーアップして帰ってきました。座長はＮＯＮ　ＳＴＹＬＥの石田明さん。初演の千秋楽で約束したとおり、大阪のあとは仙台で公演を行います。笑って泣けて、そして元気になれる作品をお届けします！

――昨年の初演は、座長だったんですね。

そうなんですよ。その話を聞いたのが、さいたまスーパーアリーナで無料のお笑いのライブのリハーサル中でめっちゃピリピリしているときでした。今ほかのことは考えられないから、とにかく全力でライブをやりました。その打ち上げの時に「さっきの話ですけど」って切り出されて、ヘロヘロだったんですけど、お話をいただけたのがうれしかったんで「わかった、やるやる」って。あんまり深く考えないで返事したんですけど、後から考えたら、すごいことをやるって言っちゃったなと。だって須藤（理彩）さんみたいな女優さんが出る舞台に、しかも座長って何？？　なんかすごいことになったと思いました。自分は、引っ張っていくタイプじゃなくて、引きずられていくタイプ。でも実際始まってみたら、若手は若手で慕ってくれるし、ベテランの方々は良い意味で引きずり回してくれて、すごく居心地がよかったんですよね。

――顔合わせの時にはもう脚本も出来ていたとか。

早い段階から、僕のところに脚本が届いていて、読んだらめっちゃ面白くて、これは、良い意味でとんでもない舞台になるなと思ってました。でも何の役か知らなくて、「たぶんこの中のちょい役だろうな」と思ってたんです。顔合わせに行ったら、主役で、「え？　こ、これですか?！」

――（笑）。そのときのご感想を。

最初は本読みとかも緊張しました。普通吉本の芸人とか、本読みなんてあんまちゃんとしないんですよ。口開いてるか開いてないかわかんないくらいの声で、もうほとんど聞こえないから、「おい、言ったよ、言ったよ」って相方に言う…、その「言ったよ」の方が声大きい（笑）。でも芝居はみなさん、最初の本読みから、本気でいくので、焦りましたね。

――いろいろ戸惑いもあったようですが、幕が開いてみたら、大評判の大出来でしたね。

とにかく来てくださったお客様に、楽しんでもらえたのが嬉しかったですね。去年は、震災の直後でしたから、せめてここにいる時間だけは、いろんなこと忘れて、笑って、そして元気になって帰ってもらいたかったですね。

――終演後のアンケートでも「心から笑えたのは久しぶり」といった感想が、ずいぶんありましたね。

それはやってても感じられました。お客さんが楽しんでる空気が、また僕らをもっと面白くしてくれる。僕ら、被災地にも行って、お笑いとかやって来てるんですけど、とにかくその時だけでもいろんなこと忘れて、みなさん笑ってくださる。こういう時間をもっともっと作れたら、ほんと嬉しいなと思います。

――千秋楽で約束していた仙台公演が、今年、実現しますね。

絶対やりたかったんで、思わず言っちゃいました。でもスタッフさんが、本当に仙台公演が実現できるように頑張ってくれて、今回この舞台を再演できるのが、ほんとうれしいし、ぜひ多くの人に楽しんでもらいたいなと思っています。

PART２へ続く

＜プロフィール＞

石田明　いしだ・あきら
お笑い芸人。相方・井上裕介と2000年コンビを組み、NON STYLE（ノン・スタイル）として活躍。2008年M-1グランプリチャンピオン。2010年には S-1バトルの賞金で、さいたまスーパーアリーナでお笑い無料ライブを行って話題に。舞台衣装は、いつも全身白でコーディネート。
昨年『スピリチュアルな１日』で座長として好評を博し、今年再演が決定。

＜公演情報＞

「スピリチュアルな１日」
東京公演　2012年6月13日(水)～24日(日)　あうるすぽっと
大阪公演　2012年6月29日(金)～7月1日(日)　ABCホール
仙台公演　2012年7月7日(土)～8日(日)　仙台市青年文化センター シアターホール
脚本：小峯裕之　
演出：板垣恭一
出演：
石田 明（NON STYLE）　須藤理彩　片桐 仁　吉本菜穂子
諏訪 雅（ヨーロッパ企画）　猪塚健太　今井隆文　柳澤貴彦
問い合わせ先：アミューズチアリングハウス　03-5457-3476（平日15:00～18:30）
http://www.amuse.co.jp/stages/sp/