インタビュー & 特集
SPECIAL! 「BAD GIRLS meets BAD BOYS」part1 ラスタ・トーマスさん
omoshiiでは、3回シリーズにて『BAD GIRLS meets BAD BOYS』の出演者の皆様にお話を伺います。まずご登場いただくのは、『BAD GIRLS meets BAD BOYS』で構成・演出・振付・出演を務める天才ダンサー、ラスタ・トーマスさん。今回は彼が率いるグループ”BAD BOYS”の初来日公演でもあります。ラスタ・トーマスさんに聞く、踊りの魅力と公演への意気込みとは?(取材・文/高橋彩子、写真/平岩亨)
INTERVIEW & SPECIAL 2012 6/20 UPDATE
——さまざまな舞台をこなして日本でもファンの多いラスタさんは、8歳でフルマラソンを完走し、9歳でジュニアオリンピックにて50メートルバタフライ世界新記録を達成し、テコンドーのワールドチャンピオンに…と、早くからずば抜けた身体能力を発揮しておられました。どのようにして踊りの世界に引き込まれていったのですか?
子供のころは踊るのが苦痛で、お仕置きを受けているような気分だったね(笑)。でも、10代半ばごろかな、先生から注目されるようになり、自分でも、ジーン・ケリーやミハイル・バリシニコフやマイケル・ジャクソンのような素晴らしいダンサーのビデオを見るうちに、武術とダンスの共通点なども見出せるようになって、面白くなって来たんだ。
あと、バレエクラスには女の子がたくさんいたしね! やがて各地に呼ばれて舞台に立つようになり、ギャラをもらってセガのゲームギアやゲームボーイを買えるようになったことも嬉しかったよ(笑)。そうこうするうち、自分の力を発揮でき、一番楽しく活動できるのが踊りの世界だと気づいたんだ。
——弱冠15歳で、ヴァルナ国際バレエコンクールジュニア部門で金賞受賞、さらに16歳にして、ジャクソン国際バレエコンクールシニア部門の金賞受賞するなど、天才バレエダンサーの名を欲しいままにしましたが、バレエだけの世界にはとどまりませんでしたね。
ダンサーとしての僕は、ずっとさすらいながら、ホームを求めてきたんだ。というのも僕は、子供のころからバレエのほかに水泳や武術やマラソンをしていたからバックグラウンドがほかのダンサーと違っていたし、クラシカルなバレエもコンテンポラリー・ダンスも両方好きだったから、自分の好奇心を満たせる定住先としてのカンパニーがなかなかみつからなかったんだ。
そんな僕にとって、今回来日する“BAD BOYS”はホームと呼べる場所かもしれない。自分が若いころに出会っていたら迷わず入ったカンパニーだね。芸術監督もご覧の通り、クールだし(笑)。
——“BAD BOYS”は、07年にラスタさんが結成した男性超絶ダンス技巧派集団ですね。今回の『BAD GIRLS meets BAD BOYS』では、湖月わたるさん・水夏希さん・原田薫さん・矢野祐子さん・蒼乃夕妃さんによるレディダンスユニット“BAD GIRLS”が、この実在する“BAD BOYS”と出会うという企画になっています。
“BAD BOYS”のグループ名は、僕が色々な先生に『このBAD BOY!』と怒られたことに由来するんだ。といっても、「悪いヤツ」という意味ではなくて「ヤンチャ坊主」って感じかな。正統なバレエだけを踊る道を選ばなかったからね。みんなに型破りな存在として覚えられてきたので、いっそ思いっきり型破りな集団を作ろうと考えて名付けたわけ。
この公演がどうなるかはこれから決めて行くことだけれど、“BAD BOYS”ではいつも、女性を支える役割を担うクラシック・バレエとはまた違う男性ダンサーの魅力を追及している。バレエの群舞とはまた違って、一人一人の個性を見てもらうことができ、『あの人、かっこいいな』『ダンスってこんなこともできるんだ!』とわかるようなエンタテインメントをね。
つまり、理屈抜きに踊りの楽しさ・素晴らしさを伝えるのが僕らのミッション。今回の公演全体としても目的は同じだと思う。幅広い世代に喜んでもらいたいな!
「BAD GIRLS meets BAD BOYS」
2012/7/14(土) ~ 2012/7/15(日) 東京国際フォーラムホールC
2012/7/19(木) 愛知県産業労働センター ウインクあいち
2012/7/20(金) ~ 2012/7/22(日) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
CREATIVE DIRECTOR:ラスタ・トーマス
CHORIOGRAPHERS:ラスタ・トーマス TAKAHIRO 原田薫 エイドリアン・カンターナ
BAD BOYS:ラスタ・トーマス&“BAD BOYS OF DANCE”
BAD GIRLS:湖月わたる 水夏希 原田薫 蒼乃夕妃 矢野祐子
The Storyteller: TAKAHIRO
お問い合わせ:
<東京公演>梅田芸術劇場 03-3503-5815
<愛知公演>キョードー東海 052-972-7466
<大阪公演>梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ 06-6377-3888