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INTERVIEW! ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』– Part.2 山崎育三郎さん
赤坂ACTシアターで好評を博し、現在梅田芸術劇場で上演中ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』。本作品で、Wキャストの主演、ロミオ役を熱演しているのが、人気若手俳優の山崎育三郎さん。今回の出演についてお話を伺いました。
(写真/平岩亨 取材・文/長谷川あや ヘアメイク/糸川智文 スタイリスト/尾後啓太)
INTERVIEW & SPECIAL 2011 10/14 UPDATE
ロミオ役というのは、俳優だったら誰もがあこがれる役柄だと思います。実はずいぶん前から、(演出の)小池(修一郎)先生には、ロミオにぴったりだと言っていただいていたんです。雰囲気とか歌い方とか、先生のなかでイメージが合ったのかな。自分ではあまりよくわかりませんが(笑)、うれしかったですね。
ロミオと似ているのは、マイペースなところくらいかな。人がなんと言おうと、自分の道を行くというところは僕にもあります。情熱的な恋に溺れる、というのはまだ経験がないんですけれど。どの役柄を演じるときもそうなのですが、いまの自分ができるマックスを出し、25歳の今しかできない僕のロミオを演じきりたいですね。
僕は役柄との出会いは運命だと思っています。年齢もそうだし、演出家がキャラクターに合うと思っていただかないとキャスティングしていただけません。仮にオファーしていただいてもかの作品がかぶっていたら出演できない……。25歳の今、ロミオ役と出会ったのはやはり運命だし、ロミオという役柄を演じることができるのは最初で最後のチャンスだと思ってやっています。
ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』は、今回の公演の前に、フランス版も、宝塚版も拝見しました。ダンスや衣裳、照明、セット──そのすべての完成度が高く、それが渾然一体となってのハイレベルな総合芸術だと思います。楽曲がまた、ストーリーとマッチしていて、音楽だけで涙が出るくらいに感動しました。ブロードウェイやウエストエンドのミュージカルが主流の日本ではあまりなじみのないものなのですが、でもとても繊細で、美しくて……。歌うのは大変なんですけどね(笑)。
21歳で、『レ・ミゼラブル』のマリウス役でデビューして以来、どの現場でも僕が最年少でした。でもこの作品では同世代や年下の方もいる。相手役のジュリエットのふたりもオーディションで選ばれた新人の方です。だからこそ、僕がこれまで経験してきたミュージカルの現場とはまた違って、学校のような同世代の仲間の空気感がポイントになっているのではないかと思うんです。青春みたいな感じというのかな(笑)。物語のシチュエーションもそんな感じでしょう? そんな若い作り手たちの空気感を大事にしたいし、毎日の舞台でも表現したいですね。
Wキャストで、同じロミオ役を演じる城田くんも同じ年です。彼からはとてもいい刺激を受けています。身長も個性も違うので、まったくキャラクターが違うロミオになってるよねと、二人でよく話しているんですよ。
いろいろな問題が山積みの世の中です。この作品もみなさんご存知のように結末は悲劇ですが、燃えるような愛に純粋に向き合っていくロミオとジュリエットを通して、勇気や元気を少しでも得てもらえればうれしいです。
やまざき・いくさぶろう
1986年生まれ、東京都出身。2007年『レ・ミゼラブル』マリウス役でミュージカルスターとして脚光を浴びる。10年『モーツァルト!』では主演のヴォルフガングを瑞々しく演じ、第36回菊田一夫演劇賞・演劇賞を受賞。『ロミオ&ジュリエット』の後は11月帝国劇場にて『ダンス オブ ヴァンパイア』に出演する。
『ロミオ&ジュリエット』
赤坂ACT シアター 9月7日~10月2日
梅田芸術劇場メインホール10月8日~20日
原作:ウィリアム・シェイクスピア
作:ジェラール・プレスギュルヴィック
潤色・演出:小池修一郎 振付:TETSUHARU(増田哲治)
出演:城田優・山崎育三郎(Wキャスト)、昆夏美・フランク莉奈(新人・Wキャスト)、浦井健治、上原理生・平方元基(Wキャスト)、良知真次・石井一彰(Wキャスト)、岡田亮輔/中島周・大貫勇輔(Wキャスト)/石川禅、安崎求、大鳥れい、中山昇、未来優希、涼風真世 他
問:梅田芸術劇場 06-6377-3800