インタビュー & 特集
SPECIEL! 『ウィーン・ミュージカル・コンサート2』ステージレポ
本場ウィーンで活躍するトップスターたちが歌う『ウィーン・ミュージカル・コンサート2』が、7月20日(土)から22日(月)まで、東京・東急シアターオーブでの上演!(文/長谷川あや)
INTERVIEW & SPECIAL 2013 7/21 UPDATE
『エリザベート』の大ヒット以降、ウィーン産のミュージカル「ウィーンミュージカル」は、ミュージカルの本場、ブロードウェイ(ニューヨーク)、ウエストエンド(ロンドン)発の作品に勝るとも劣らない人気を博し、日本のショビジネス界を席巻している。『エリザベート』をはじめ、『モーツァルト!』『ダンス
オブ ヴァンパイア』など、ウィーン生まれのミュージカルの名曲の数々を、本場ウィーンで活躍するトップスターたちが歌う『ウィーン・ミュージカル・コンサート2』が、7月5日、東京・Bunkamura オーチャードホールで幕をあけ、大阪・梅田芸術劇場メインホールへ。その後、再び、東京・東急シアターオーブでの上演されている。
2007年のウィーン版『エリザベート』初来日以降、ドイツ語圏のミュージカルスターたちが定期的に日本でその歌声を披露しているが、今回は、現地でも実現しないような、豪華で、そして新鮮なスターたちが顔を揃えた。
1994年以来、『エリザベート』のタイトルロールを1000回以上演じ続け、同役としての出演回数世界一を記録するマヤ・ハクフォート、同作のルドルフ役が印象的なウィーン・ミュージカル界の貴公子、ルカス・ペルマンは、昨年の「ウィーン版『エリザベート』20周年記念コンサート」に続いての来日となる。
『モーツァルト!』初演でタイトルロールを演じたイングヴェ・ガーソイ・ロムダール、『ダンスオブ ヴァンパイア』のクロロック伯爵を1000回以上演じているケヴィン・タートもいかんなく実力を見せつける。
昨年9月よりウィーンのライムント劇場で上演中の『エリザベート』20周年記念公演に出演中の主演中のエリザベート役アンネミーケ・ファン・ダム、トート役マーク・ザイベルトの新鋭も共に初来日。
また、スペシャルゲストとして、日本同様、ウィーン・ミュージカルがさかんな韓国のディーバ、オク・ジュヒョン出演し、その美声を披露した(一部日程のみ出演)。
コンサート形式ではあるが、ウィーンの公演で実際に使われた衣裳をまっての公演は本公演さながら。アンサンブルキャスト6名も来日し、迫力あるダンス、コーラスを披露し、ここがウィーンであるかのような錯覚さえ覚える。
本コンサートで初めて顔を合わせた出演者もいるが、指揮者の塩田明弘がウィーンに出向き、10日間に渡るリハーサルを行ったとあり、何度も公演を重ねてきたかのようなまとまりを見せる。マークとルカスの「世界の王」(『ロミオ&ジュリエット』)で、ロミオとティボルトが仲良さそうにデュエットするコンサートならでは演出も楽しく、大学時代からの友人というプライベートでの親交が垣間見られるようで微笑ましい(公演終了後は、富士山登山を計画中だとか)。ウィーンミュージカルの金字塔的な作品で、日本にその存在を知らしめた『エリザベート』が2幕でたっぷり聴けるのも心憎い。まるで本公演のダイジェスト版のようで、現エリザベート(アンネミーケ・ファン・ダム)&トート(マーク・ザイベルト)のコンビによるウィーン版「愛と死の輪舞」や、本コンサートならではの組み合わせとなるマヤ・ハクフォートと深い歌声が印象的なケヴィン・タートとの「夜のボート」など、すべてがクライマックスで息をつく暇がない。うれしい悲鳴だ。
パート3の上演も期待されるが、世界のウィーンミュージカルファン垂涎の、この顔ぶれ、構成は、今年、日本でしか観ることができない。ウィーンミュージカルならではの陰影のある世界観や楽曲の良さ、スターたちの魅力が満ちあふれたコンサートが日本で上演される希少な機会に、国境を超えて愛される“ウィーンミュージカルの神髄”を体感しよう。
公式サイト http://theatre-orb.com/lineup/13_wien/