インタビュー & 特集
SPECIAL! 『セレブレーション100!宝塚』集中連載 第二回 稔幸さん(1)
宝塚歌劇100周年を記念して、5月18日より上演される『セレブレーション100!宝塚~この愛よ永遠に~』。この作品に出演されるトップスターさんたちに、現役時代のお話から100周年の思い、OG公演についてなどを、集中連載でお伺いしています。(※登場順不同) OG公演にゲストとして1~2日出演することはありましたが、レギュラーメンバーとして長期公演全出演というのは初めてだという稔幸さん。特別公演を満喫している感のある彼女に、その特徴や魅力についてあれこれお話を伺いました。
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INTERVIEW & SPECIAL 2014 5/16 UPDATE
ゲストを迎え入れる公演~現役時代~
宝塚時代、私は組替えもなく、ずっと星組でぬくぬくと育てて頂きました。紫苑ゆうさんがトップ時代に新宝塚大劇場こけら落とし公演がありまして、『宝寿頌』『PARFUM DE PARIS』に各組トップトリオ(『宝寿頌』はトップのみ)が出演したのですが、ゲストが参加する公演は、組子はいつもの倍忙しくなります。ゲストごとのお稽古が別枠で組み込まれ、ゲストなしの公演では組子の役が繰り上がるので、ポジションも変わり、左右逆の振りになったりすることもありましたし、また、下級生だと新人公演ももれなくついてくる・・・とにかく、ずっとお稽古場に居た記憶があります。その時、私は三番手になりたてだったのですが、ゲストなしの公演では他組トップさんが演じた役をさせて頂けることになりました。他組のトップさんへの振り写しなどは、かなり緊張しましたが、個性の違う皆さんから色々と学べる事が出来、とても良い経験だったと思います。
私がトップになってから新専科制度が発足され、当時の二番手・三番手だった生徒が専科に配属されたのですが、星組公演『花の業平』『夢は世界を翔けめぐる』に初めて新専科生が出ることになり大きな話題になりました。ゲストが四人、そのうち三人が二番手ということもあって、彼女たちは何かと大変だったと思います。みんな頑張っていた。私自身も、東京宝塚劇場が新しくなるのを節目にしようと思っていたので、次の『ベルサイユのばら』で退団しましたが、いろんな変革を同時に迎える時期だったので思い出深いですね。
組や時代を超えてのOG公演
今まで参加したOG公演は、ゲスト出演だったので、みなさんの中に気楽に入れていただく感じだったのですけれど、今回は逆の立場。ゲストさんを受け入れながら、何かしら自分なりの世界を作っておきたいと、気を引き締めています。
宝塚は音楽学校時代に上下関係の厳しさを体験し、同期生という枠がガッチリ作られます。それは劇団に入ってからも不変で、舞台を作り上げるときにも常に意識から抜けない不思議な関係です。もちろん皆それぞれ個性も価値観も異なりますが、外の舞台とは違う繋がりを感じます。善かれ悪しかれ、ツーカーでいけるところがあるんです。まして、同じ組の中で育っていると家族のような結束が生まれるので、一つの作品を作りあげるのにも大きな力になっているのではないでしょうか。退団後でも、こうしてみんな集まって100周年のお祝いができるなんて、温かい素敵な関係だなと思いますね。
OG公演でも上下関係は不変ですよ。誰が言い出した訳でもなく、事前と序列順に動きます。例えば「一列に並んで」と言われると、最上級生がセンターに立ち、続いてカミシモカミシモと並ぶ(※上手と下手に向後に位置取りしている習慣がある)。同期と一緒の時は「最後の試験の成績、どっちが上だったっけ?」となるぐらい(笑)。
組替えがなかった星組っ子の私は、OG公演で「初めまして」の人も多く、戸惑うこともあります。でも必ず誰かが繋げてくれる。中にはビックリするようなご縁で繋がっていたりすることもあるんです。「宝塚」という枠での交友関係は果てしなく広がっていくようです。
(2)へつづく。