インタビュー & 特集
SPECIAL! 『セレブレーション100!宝塚』集中連載 第四回 麻路さきさん(1)
宝塚歌劇100周年を記念して、5月18日より上演されている『セレブレーション100!宝塚~この愛よ永遠に~』。この作品に出演されるトップスターさんたちに、現役時代のお話から100周年の思い、OG公演についてなどを、連載でお伺いしています。(※登場順不同)
OG公演を中心に活躍する麻路さきさん。現役時代は7公演連続新人公演主演や、新人公演と並行して三番手になるほか、トップスターとの役替わり公演や他組への特別出演など、大切に育てられた印象が強い。そんな彼女にスター育成に向けての多彩なシステムについてお話を伺いました。(取材・文/小柳照久、撮影/熊谷仁男)
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INTERVIEW & SPECIAL 2014 5/19 UPDATE
新人公演
宝塚は、中学生や高校生の女の子が、まずは二年間音楽学校で学び、入団後は新人公演で先輩に学び、三番手や二番手など、徐々に重要な役を経験して、トップスターになるというシステムが確立しています。本人に必要なのは「努力」ですね。私たちのころは、役をつけてもらった時に、もしダメだったら普通に考えると次へは繋がらないものなんですが、例え下手だったとしても、努力していて少しでも進歩が見えるとまた使ってもらえました。
その後、トップスターになれるかどうかは「運」もあるでしょう。私がいたころは、組替えも少なかったので特に、どの組で、どんなポジションにいるかも大事でした。みんなトップを目指して頑張っていて、もちろん、どのポジションでも頑張ろうってやっていたんですけれど、徐々に運命が定まっていく感じがありました。「努力」と「運」がスターへのキーになっていたと思います。
システム化されたスター育成コース
私は新人公演で主演させていただいた後、「バウホールでの主演」だけでなく、「役替わり公演」や「他組への特別出演」など、いろんな経験してからトップスターになりました。『ベルサイユのばら』では雪組への特別出演と新人公演でフェルゼン、本公演でアンドレと同時進行で複数の役に取り組みましたし、雪組での『風と共に去りぬ』は前日まで別の公演に出ていたので、台詞の一語一句まで完璧に覚えるなんて絶対無理と思い「ストーリーさえあってればいいや」と開き直って挑んだ公演でした。そして、『うたかたの恋』の代役公演もありました。出ておいて良かったなと退団してから思ったのは『エリザベート』。ぱっと思い出すのは、いつもの違う精神状態だった公演ですね。
今では組替えは結構ありますが、昔はたまにしかなく、基本的に各組固定メンバーによる公演。観ているお客様は「また同じメンバーか」と思われたかもしれないけれど、演じる側からいうと、同じメンバーでやるというのはすごくやりやすかったです。固定メンバーだと、舞台に集中することができるんです。良いところも悪いところもお互いに分かり合っている人たちですし、余計なことに気を回さずにすみますから。
OG公演では、確かに今回は初めて共演という人もいますし、組によって微妙にカラーもやり方も違ったりするんですけど、同じ宝塚ですから、どこかで繋がっているんでしょう、お互いの良さをつぶさずに、それぞれが輝くことができるんです。
(2)へつづく。