インタビュー & 特集
SPECIAL! 『セレブレーション100!宝塚』集中連載 第六回 湖月わたるさん(1)
宝塚歌劇100周年を記念して、5月18日より公演中の『セレブレーション100!宝塚~この愛よ永遠に~』。この作品に出演されるトップスターさんたちに、現役時代のお話から100周年の思い、OG公演についてなどを、連載でお伺いしています。(※登場順不同)
2000年6月、宝塚歌劇団に新しい制度が導入されました。通称「新専科」。各組の二番手と三番手の男役スター10人が配属され、当時、宙組二番手に昇格したばかりの湖月わたるさんもそんな1人。組子時代~専科時代~トップ時代、そしてOGとして、その時々の舞台にかける意気込みを語ってもらいました。(取材・文/小柳照久、撮影/熊谷仁男)
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INTERVIEW & SPECIAL 2014 5/29 UPDATE
トップ就任前
私は星組に9年間在籍し、10年目からは宙組となり、さらに2年後に専科に異動しました。専科生として、各組の公演へ参加する中で、トップさんをはじめ、先輩方が舞台を作っていく過程を稽古段階から参加させていただいて、沢山のことを学ばせていただきました。その作品に必要な人になりたい。自分にしかできない男役像を作り出したい。そういう思いで一作一作取り組んでいました。
星組や宙組に所属していた時代は、上級生の方にいろいろ教えてもらい、育てていただいたんですが、自分が上級生になって、こんどは下級生にいろんなことを伝えていかなければならない立場になった。でもその時、組の中の上級生ではなく、専科という立場で色々な組の皆さんと一緒に作品づくりをさせていただいたことは大変貴重な経験だったんだなと改めて思います。
トップ就任後
星組のトップになった時は、自分の愛情を伝えられる愛しい組子ができ、私はこの子たちと一緒に最高の作品を作り上げていきたい、そのために、何か自分が役に立てることがあったら最大限やっていこう、燃え尽きようという思いでやってました。「もっとこうしてみよう」とか「心配な子がいたら声をかけてみよう」とか、とにかく稽古場からなかなか帰らないので、「いつ寝てるんですか?」と聞かれる程。みんなが残っていると気になっちゃって。実は目障りだったのかもしれないけど(笑)。
宝塚は一か月のお稽古でミュージカルとショーを両方作るので、やるべきことがどんどん出てきます。ですから台本は一日で覚えてましたね。でないと、次の日には振付が始まっちゃう。稽古場でしかできないことがいっぱいあるので、体力と時間の許す限り、稽古場にいました。青春してましたね。
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OG公演の醍醐味
宝塚を退団して8年になるんですけど、おかげ様でピンヒールを履いたらシュッと膝を閉じるようになり(笑)、男性的なものが求められる時と、女性的なものが求められる時と、作品によって違う中で、スイッチの切り替えが自分の中でも楽しめるようになってきました。宝塚の中で男役をやってきたことは自分の財産なので、退団して女性を演じるにあたっても、元男役だからこそ表現できる女性像や、意外性も見せたいです。その醍醐味が味わえるのがOG公演です。
現役時代は「男役としてかくありたい」という思いが強かったと思うんですが、今は男役を極めるというよりも、男性を極めていく感覚です。娘役の皆さんも、女性として、より成熟して、宝塚の娘役時代よりもさらに表現の幅が広がっていますので、そんな彼女たちを受けて立つため、人間同士のぶつかり合い、さらなるリアリティを追っている感じです。宝塚を退団する時、私なりに男役を極めたつもりだったんですが、まだまだ進化するもんですね。
(2)へつづく。
『セレブレーション100!宝塚~この愛よ永遠に~』の情報は、こちらから公式サイトをごらんください。