インタビュー & 特集

SPECIAL! 『セレブレーション100!宝塚』集中連載 第七回 高嶺ふぶきさん(1)

宝塚歌劇100周年を記念して、5月18日より公演中の『セレブレーション100!宝塚~この愛よ永遠に~』。この作品に出演されるトップスターさんたちに、現役時代のお話から100周年の思い、OG公演についてなどを、連載でお伺いしています。(※登場順不同)

ある時は紅顔の美少年、ある時はマフィアのボス、さらには粋な姐御まで、老若男女を変幻自在に演じ分けた高嶺ふぶきさん。「芝居の雪組」の継承者として、こだわりを楽しんだ現役時代を振り返ってもらいました。(取材・文/小柳照久、撮影/笹井孝祐)

INTERVIEW & SPECIAL 2014 6/3 UPDATE

こだわった芸の継承

私はトップになる時、宝塚「歌劇」団なわけだから、歌と劇のクオリティーが高くなければ、と思っていました。歌を歌えるのは当たり前、お芝居ができて当たり前と。私は杜けあきさんの同じ時代に舞台に立たせて頂いていましたが、杜さんは歌はもちろんお芝居もクオリティが高いものをお客様に見せていらっしゃいました。そんな杜さんに教え込んでもらったものは絶対に失くしちゃいけない、絶対に継承するぞ、と決めていました。宝塚は様式美で見せる部分もあるけれども、芝居はきちんと掘り下げて、役柄はきちんと理解して、男役とか女役とは関係なく、一役者としてお客さんに見てもらおうと。たとえ宝塚に興味のない人がたまたま宝塚好きの人に連れて来られて観劇したとしても、お嬢さん芸とは言わせない、納得してもらえる舞台をやりたい、それを心がけていました。

新人公演では役を作り上げていくにあたって本役さんがいらっしゃるから、とにかく本役さんを見て覚えるって感じでしたね。本役さんに近づきたい、この人のようになりたいと思ったら、ガッツリついていけば良いんです。「ここはどうしてはるんやろ?」ってところは聞きに行けば絶対教えてもらえるから、とても暖かい場所です。真似から入るというのも近道ですよね。あとは、自分なりの役の解釈があれば、それはそれなりにやれば良いですしね。

役者でありたい

ありがたいことに、私に次々に与えられる役がバラエティに富んでいました。特に柴田先生。悪役もあるし、女役もあるし『あかねさす紫の花』では役替わりもありましたし。いろんなタイプの役をいっぱいくださって感謝しています。柴田先生には「お前に何かの役をやると、こっちも面白いんだよね。バカ役者はたくさんいるけれど、お前は役者バカだ」と言われたのが嬉しかったです。役者バカだからこそ、時には深く掘り下げすぎておかしくなることもありましたけど。先生には、「変にこねくり回さず、台本を最初に読んだ時の感覚を大切にし、そこを膨らませたら大丈夫」とアドバイスを受けたのを覚えています。その影響で、宝塚時代から今にいたるまで、私は自分に役を近づけるのではなく、役になる役者でありたいと思っています。

役に生き、個性を吹き込む

新人公演も卒業すると、ダブルキャストや役替わりを任されることもありました。私は『あかねさす紫の花』と『風と共に去りぬ』で複数の役を演じました。一つの公演の中、自分以外に二人の人間になれたりするのがとにかく面白かった。

『あかねさす紫の花』では押し出しの強い中大兄皇子とナイーブで繊細な天比古。「今日は中大兄皇子」「今日は天比古」と気分的にも切り替えやすかったです。どっちも好きな役でした。

『風と共に去りぬ』では、アシュレとバトラーをやりました。アシュレほど難しい役はなかったです。見る人によっては「綺麗だったら良い」役かもしれないけれど、スカーレットが憧れる位に美男子で文武両道に秀でてるんだけど、実はめちゃめちゃ弱い人、というか普通の人間。今だったら、高学歴で見てくれも良い、一般的な男性に一番近いんじゃないでしょうか。あまり大袈裟な感情を出す役ではないので、ともすれば舞台で影が薄くなってしまうんだけれど、アシュレがいないと成り立たない作品。一方、バトラーはキャラがしっかりしているので楽しんでできました。アシュレを演じるのはメンタル的にしんどかったけれど、バトラーでは発散してましたね。ノンフィクションなアシュレとフィクションのバトラーとでも言えましょうか。

(2)へつづく。

『セレブレーション100!宝塚~この愛よ永遠に~』の情報は、こちらから公式サイトをごらんください。


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