インタビュー & 特集
SPECIAL! 『セレブレーション100!宝塚』集中連載 第十一回 蒼乃夕妃さん
宝塚歌劇100周年を記念して、5月18日から6月8日まで青山劇場で上演され、6月24日から大阪梅田芸術劇場にて公演中の『セレブレーション100!宝塚~この愛よ永遠に~』。この作品に出演しているトップスターさんたちに、現役時代のお話から100周年の思い、OG公演についてなどを、連載でお伺いしています。(※登場順不同)
蒼乃夕妃さんが宝塚を退団したのは二年前。今回が初めてのOG公演参加となります。宝塚90周年の年に初舞台を踏んだ蒼乃さんにとって、何周年記念公演という催しで舞台の真ん中に立つのは初めてとのこと。初めて参加するOGとの舞台について、感じていることを語ってもらいました。(取材・文/小柳照久、撮影/撮影/笹井孝祐)
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INTERVIEW & SPECIAL 2014 6/25 UPDATE
思い出の舞台
偶然テレビで見た一路真輝さんの『あかねさす紫の花』が私と宝塚の出会いでした。何もわからず、ただ「なんて綺麗なんだろう」と思って。宝塚しかないじゃないですか、あの時代の日本物、王朝物って言うんですかね。和物とはまた違って雰囲気で、衣装もブーツが新鮮で。これを観たからこそ宝塚を目指したと言える思い出の作品です。
自分がやった作品では『スカーレット・ピンパーネル』がとにかく印象に残っています。星組の初演から出ていて、作品を作り上げる時点からの苦労とかも覚えていますし、出来上がったものをさらに磨き上げる大変さも実感した公演でした。新人公演では初めてヒロインを演じ「これを毎日やられている本役さんって凄いな」と思っていたら、月組で自分がそれをやらなくちゃならなくなってパニックになったのを覚えています。私はダンスでの起用が多かったんですが、この公演を経て、歌も凄く好きになれたのを覚えています。
初めてのOG公演
90周年の時に初舞台だったので、当時の式典には参加してはいたんですが、まさか、100周年を自分がこういう立場で迎えるとは思いもしませんでした。制作発表で初めて一同勢ぞろいしたんですが「本当にここに元トップさんがいらっしゃるんだ」と気持ちが高まりました。私はプリンシパルの中では再下級生になるので、上級生の方にたくさんお会いすることに緊張していたんですが、いざお会いしてみたら「あの公演観てるよ」とか「霧矢さんのお相手だった方ね」と名前だけは知っていてくださったり。これって、宝塚という世界だからありえるんだなと思ったら、安心して。こ顔合わせの時も風花舞さんが「娘役で記念写真を撮ろう」と声をかけてくださって、すごく嬉しかったです。
お稽古場では「切っても切ってもトップさんが出てくる!」と窒息しそうになっています。私が宝塚に憧れていた時のトップさんがいらして、私が憧れたトップさんが憧れているトップさんもいらして、何て凄い作品に参加させていただいているんだろうと思います。伝統だけでなく、人の思いだとか憧れまで脈々と受け継がれてて「宝塚って本当に良いところだな」と感じてます。
一緒に過ごして見えてくるトップスターの大きさ
元・トップ娘役のみなさんともご一緒するのは初めてなんですが、学年を超えてすぐに分かり合えることもあるんです。いろいろお話をしています。トップさんには私たちとは比べ物にならない大きなものを背負っていて、一緒にいながら私は何もお役に立てない歯がゆさがありました。そういえば、印象に残ってことがあって、下級生は上級生に気を使いますけれど、「上級生になったときに下級生のことを思いやれるかでその人の器が決まってくる」と言われたことがあります。確かに、そういう人間的な部分が深い方は、みんなが注目したくなったり、ついていきたくなる気持ちにさせるんです。トップスターは誰よりも情が深かったり、思いやりが深かったりする人なんでしょうね。
『セレブレーション100!宝塚~この愛よ永遠に~』の情報は、こちらから公式サイトをごらんください。