インタビュー & 特集
INTERVIEW! 『ifi』蘭寿とむさん
2014年9月5日(金)~21日(日)青山劇場、26日(金)~28日(日)梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて上演されているオリジナル・ダンス・ミュージカル『ifi(イフアイ)』。この春宝塚歌劇団を退団した元花組男役トップスター蘭寿とむさんの、退団後初となる出演作品です。公演の意気込みについて、蘭寿さんにお話をうかがいました。(取材/文/小柳照久、写真/引地信彦)
INTERVIEW & SPECIAL 2014 9/18 UPDATE
若手時代からダンサーとして注目され「ダンスの花組」を引っ張ってきた蘭寿とむさん。退団後の初舞台となる『ifi』ではバレエ出身のラスタ・トーマスさん、天才ダンサー白河直子、日本人ダンサーとして初めてシルク・ドゥ・ソレイユ公演に参加の辻本知彦さん、ストリートダンスで今注目株のストーリーボードPさん、ジャズをベースに多彩なダンスを繰り広げる佐藤洋介さん、SHUNさん、マドンナやチャカ・カーンなどの専属ダンサーとして活躍するケント・モリさん、など、世界の豪華ダンサーが集結! Aバージョン、Bバージョンと二つの結末も用意され、どこをとっても注目!なオリジナル・ダンス・ミュージカルです。
――宝塚時代から女役をほとんど演じていないので、「女優・蘭寿とむ」がイメージできなかったんですが、男役を引きずっているわけでなく、さりとて女性らしさをアピールするのでもなく、都会的でシャープな感じですね。
自分が女性として、歌うこともお芝居することも新鮮。何もかもが新鮮です。何よりも、世界レベルの方々と一緒にやるということで、すごい刺激を受けています。今は、男とか女とかは意識せず、感じたままにやってみようと思ってます。
――『ifi』はどんなところが刺激的なんですか?
宝塚時代は、いろんなジャンルの先生が劇団に教えてきてくれ、舞台ではジャズ、クラシック、ロック、コンテンポラリーまで、色々踊りました。宝塚に外部の先生が新しいダンスを持ち込んでくれたんです。今回はそれぞれのプロフェッショナルの世界に私が飛び込みます。場面ごとにジャンルが異なるスペシャリストが振付し、踊っているので、みなさんのエネルギーに圧倒されます。宝塚時代もハンブルク・バレエ団の気鋭ダンサーたちによる「服部有吉2005 Presents R・Hatter」への客演を経験させてもらったりしましたが、今回ほど絡みはなかったので、ガッツリ芝居をしたり、リフトしてもらったり(笑)、新しい経験ばかりです。
――リフトで持ち上げられるのはもしかして初めてじゃないですか?
(笑)。男役をやっていて良かったなと思うのは「リフトされる時、こうやってくれたら持ち上げやすいな」というのがわかること。どこに重心を置き、どこを張っておくと良いか、分かることが役に立ってます。もっとも、今回の共演者はみなさん超ベテランなので、私が踊りやすいようにサポートくださってます。
――国際色も豊か、ダンスのスタイルもショーの作り方も違う曲者たちをまとめての座長ですね。共演者の方が「蘭寿さんの器の大きさが凄い!」と言ってました。
ジャンルの異なる共演者たちがそろったカンパニーですが、それぞれのダンスにかける思いや、共感する方向をキャッチして良いものが出来上がればと思っています。それぞれのダンスに見せ方があり、専門家同士が勝負しているので、技術では専門家の方にかなわないかもしれないけれど、私も自分が培ってきたものを信じ、どういう風に活かせるかを考えています。場面構成も「ヴェニスの仮面舞踏会」「ブラジルのラテン音楽」「アメリカのキャバレー」など私の大好きなものばかりなので、見せ方・フィーリングだったら私だって負けないぞ、と。
――ほとんどが「初めまして」のカンパニーで踊るわけですが、稽古場からドキドキものじゃなかったですか?
私が稽古場で踊ってると「そのフィーリング良いんじゃない」とかみなさんオープンに感想を言ってくれたんです。これで自信がつきました。みなさん、ハッキリ言ってくださるのがありがたいです。今、私が目指す方向は間違ってないんだな、と。スペシャリストたちが意見を言ってくださるので、すごく勉強になります。今は、いつものまま、感じたままやってみようと思っています。一流の方々との共演で感じたことは「ダンスの多彩さ」。今はジャンルを限定せずに、まだまだいろんなことにチャレンジしたいと思ってます。
――今後、ダンスとはどんな付き合いをしていこうと思っていますか?
ダンスが大好きで血が騒ぐんです。『ifi』のお稽古に入る前、ダンススタジオに行って、バレエやジャズなど、色々踊ってました。リズムがノリノリで舞台で叫びたくなるようなラテン系ダンスも、ドラマティックな曲でのストーリーダンスも、これからいろいろ踊ってみたいです。とにかく、自分が男役じゃないというのが新鮮です!!! みなさまも『ifi』で、ぜひ、新鮮な私をご覧になってください。
らんじゅ・とむ●
1975年8月12日生まれ、兵庫県出身。1996年、宝塚歌劇団入団、2011年~2014年花組トップスター。キザで情熱的な男役像とキレのあるダンスで人気を博す。代表作に『逆転裁判』『ファントム』など。青山劇場、梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで上演されているオリジナル・ダンス・ミュージカル『ifi(イフアイ)』は宝塚退団後の初舞台となる。
【公演概要】
オリジナル・ダンス・ミュージカル「ifi(イフアイ)」
作・演出:小林香
音楽:スコット・アラン、扇谷研人
キャスト:蘭寿とむ パク・ジョンミン ラスタ・トーマス
白川直子 辻本知彦 ストーリーボードP / ケント・モリ 他
〈Aバージョンのみ出演〉ジュリアン 佐藤洋介
〈Bバージョンのみ出演〉黒川拓哉[LE VELVETS] SHUN
(東京公演)2014年9月5日(金)~21日(日)青山劇場
Aバージョン:9月5日(金)~14日(日)、Bバージョン:9月17日(水)~21日(日)
(大阪公演)2014年9月26日(金)~28日(日)梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ※大阪公演はBバージョンのみ
詳しくは http://www.umegei.com/schedule/400/