インタビュー & 特集

SPECIAL! 新感覚・音楽朗読劇『エクリプス』公演レポ

9月23日(木)、東京・シアタークリエにて新感覚・音楽朗読劇『エクリプス』が初日を迎えました。
(取材・文/臼井祥子)

INTERVIEW & SPECIAL 2014 9/24 UPDATE

『エクリプス』はサウンドシアターと東宝がタッグを組んだ最新作。歌舞伎の『蘆屋道満大内鑑』と能楽の『殺生石』の二つの物語を絶妙に組み合わせた新しい安倍晴明の物語です。

長年、都を守護してきた安倍晴明は高齢で臨終の時を迎えようとしていた。そこに訪れた加茂守道に、晴明の旧知の人物、藤原道長、源頼光、そして晴明に使える木の精霊、朱華(はねず)が、語り聞かせる大陰陽師・安倍晴明の物語とは…。

母と別れ「狐の子」と蔑まれた晴明の子ども時代、人には殺せない「妖狐」を唯一殺せる人間として指名され行った妖狐退治、晴明の親友・蘆屋道満の友情と葛藤、源頼光と部下たちによる「土蜘蛛」討伐など、様々なエピソードを絶妙に紡いで描き出される物語。そのストーリーの面白さを、ミュージカル、元宝塚、声優等、各界から集まったキャストが見事な朗読で演じました。

碓井将大さんが繊細で抑えの利いた演技で、晴明の内に秘めた悲しみを表現。最も人間らしいキャラクター蘆屋道満と加茂守道を演じた伊礼彼方さんは、声だけでなく豊かな表情の変化で共感を呼び、寿美菜子さん(豊崎愛生さんとWキャスト)は木の精霊・朱華の人ならぬ純粋さ、晴明への一途な思いを好演しました。また、玉藻前の妖艶さと恐ろしさ、源頼光の凛々しさ、葛の葉の不器用さを演じ分けた真琴つばささんと、声を聞いただけで藤原道長の年齢の違いが目に浮かぶように伝わってくる山寺宏一さん、ベテランお二人の凄みが、朗読劇を厚みのあるステージに仕上げていました。

ヴァイオリン、尺八、ギター、太鼓など、和洋が混在するバンドの迫力ある生演奏が舞台を盛り上げ、照明やスモーク、風などが臨場感をもたらし、途中に差し挟まれる手妻(日本古来のマジック)がアクセントとなって、休憩を挟んで2時間半の舞台があっという間に感じる面白さでした。

新感覚・音楽朗読劇『エクリプス』は、9月23日〜29日まで、シアタークリエにて上演中です。

★公演の詳細は公式サイトにてご確認ください。

☆9月10日に行われたトークイベントの模様はこちらでどうぞ。

★舞台写真はクリックすると拡大してご覧いただけます。


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