インタビュー & 特集
INTERVIEW! 矢崎広さん『SAMURAI 7』part.1
2015年1月、ミュージカル『SAMURAI 7』に出演が決定した矢崎広さん。2014年は中屋敷法仁さんとのユニット「なかやざき」の初公演をはじめとして様々な作品に出演するなど幅広い活躍を見せた矢崎さんが迎える新たな年明けは……? (撮影/熊谷仁男 取材・文/大原 薫)
INTERVIEW & SPECIAL 2015 1/16 UPDATE
●『SAMURAI 7』に出演が決まったときはどう思われましたか?
アニメ版も知っているので「あの作品に出られるのか!」と嬉しくて、興奮しましたね。
●ミュージカル『SAMURAI 7』の原作アニメは、黒澤明監督の映画『七人の侍』を元としていますね。『七人の侍』はご覧になっていますか?
はい、今見ても面白い作品だし、これを見て三船敏郎さんの大ファンになったんです。「男」と書くより「漢」と書くのが似合うような男くささがあって、素晴らしい役者さんだなと思いましたね。そこから『用心棒』とか、いろいろ見ました。
●『SAMURAI 7』の矢崎さんが演じるカツシロウというキャラクターにはどういうイメージを抱いていますか?
カツシロウは高い戦闘能力を秘めているんですが、それを使ったことがなくて、実際の戦闘となると臆してしまうんです。他の六人の仲間と出会い、戦う中でいろいろ葛藤しながら成長していく。キュウゾウとかを見ると本当にカッコいいから、ぶれて迷っているカツシロウはもどかしいところもありますよね。でも、だからこそ、やりがいもあるんじゃないかと思って。カツシロウの人間ぽいところを出していきたいですね。
●かなり変化がある役ですよね。
そうですね、カツシロウは七人の中でも年が若く、一番成長が大きいキャラクターかなと思います。『SAMURAI 7』の中の七人と同じように、キャストの皆さんがこうして集まって物語を作っていきながら、関係性をどんどん作っていけるんじゃないかと思いますね。
●演出の上島雪夫先生とは?
僕はミュージカル『テニスの王子様』以来だから、8年ぶりくらいですね。『テニス~』のころはついていくのに必死だったので、当時の自分と違った一面を見せられたらと思います。この間、上島先生が演出している舞台を見に行ったときにご挨拶に伺ったら、僕のことを覚えていて下さったのが嬉しかったです。「今度よろしくね」ということと「いっぱい踊るからね」と言われたんですが、その後「でもそんなに踊らないかも」とも言われて。「どっちなんだろう」と謎が残ったんですけど……(笑)。
●矢崎さんならミュージカル『薄桜鬼』の土方歳三で演じていたとおり、殺陣をやりながら歌って踊るのはお手のものですよね!
お手のものっていうことはないですけど、(ミュージカル『薄桜鬼』演出の)毛利(亘宏)さんの「息切れちゃってますけど、ここで歌わせる?」という演出を受けているので、慣れました(笑)。でも、上島先生の振付は相当体力がいるので、それは覚悟していこうと思いますね。
●今回のキャストの中で共演したことがある方は?
別所哲也さんは以前『ワンダフルタウン』でご一緒しました。別所さんは周りに対する気遣いがある方で、物語に対してもお客様に対しても「いいものを届けよう」という気持ちが熱い方です。ご一緒してとても勉強になりました。今回は別所さんと、カンベエとカツシロウのような関係が築けたらいいなと思います。他は初めてご一緒する方が多いです。古川(雄大)君も初めてですが、この後『タイタニック』でも共演するので、「続く感」が出ると思います(笑)。
●いろいろなジャンルから集まった共演者の方たちとの化学反応が楽しみですね。
キャストさん自身のパワーもそうだし、上島先生の演出と佐橋(俊彦)さんの音楽、原作のアニメ『SAMURAI7』の要素など、いろんなぶつかり合いがあって、相乗効果が生まれるんじゃないかなと思います。その中の一員に僕が入れることが楽しみですね。
●昨年は『ジャンヌ・ダルク』のような重厚な作品にも出演しましたね。2014年を振り返ると早乙女太一さんの新春特別公演『BUMP』出演に始まり、東宝ミュージカル『サビタ』出演や少年社中『贋作・好色一代男』、中屋敷法仁さんとのユニット・なかやざきの『フランダースの負け犬』と本当に多彩な作品に出演されています。ここまでバラエティに富んでいるのは、ご自分で意識して選択されているのでしょうか?
僕自身は「求められているものに出たい」という気持ちが強いです。事務所やマネージャーと話し合いながら、巡り合わせや出会いを大切にしていきたいと思っています。太一君や中屋敷さん、毛利さんの少年社中などいろいろな人とのつながりで仕事を経験させていただいているなと思いますね。自分がやりたいことをやらせていただけているので、幸せだな、と。
●それは、たとえば?
太一君と舞台上でガシっとぶつかり合いたいなと思ったのが『BUMP』で実現したり、『~好色~』では僕が「こういう世之介をやりたい」と言ったのを毛利さんが膨らませてくれたり。周りの方に支えられながら、僕もそれに応えようという気持ちでやってきた今年だったんじゃないかなと思います。『ジャンヌ・ダルク』はご一緒するだけで勉強できる役者さんがいっぱいいらっしゃって、現場がとても楽しかったですね。
●充実の2014年を経て、2015年最初の舞台『SAMURAI 7』が楽しみです!
今年のいろいろな経験を生かして、『SAMURAI 7』で自分にとってのステージを上げてスタートできたらと思います。
[プロフィール]
矢崎 広
やざき・ひろし
1987年07月10日生まれ、山形県出身
2004年、ミュージカル『空色勾玉』で初舞台を踏む。『時計じかけのオレンジ』『ドラキュラ』『MACBETH』ミュージカル『薄桜鬼』『ロボロボ』『ジャンヌ・ダルク』など数多くの舞台に出演。映画『バッテリー』やドラマ『ごくせん』『戦国鍋TV』『勇者ヨシヒコと魔王の城』『HERO』など映像の仕事でも活躍中。
http://www.tristone.co.jp/actors/yazaki/
[公演情報]
ミュージカル『SAMURAI 7』
1月17日(土)~25日(日) 天王洲 銀河劇場
原作:黒澤 明 監督作品「七人の侍」より
演出・振付:上島雪夫
音楽:佐橋俊彦
出演:別所哲也/矢崎 広/
古川雄大 野島直人 永山たかし 黒須洋壬 大澄賢也/
入来茉里/根本正勝 市瀬秀和 杉崎真宏 ほか
お問い合わせ:銀河劇場チケットセンターTEL:03-5769-0011 (平日10:00~18:00)
公式サイト●http://www.nelke.co.jp/stage/mu_samurai7/
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