インタビュー & 特集

INTERVIEW! 舞台『曇天に笑う』 荒牧慶彦さん part.1

2015年2月19日(木)に初日を控える舞台『曇天に笑う』。
原作は『月刊コミックアヴァルス』(マッグガーデン)にて連載されていた人気漫画。昨年にはTVアニメも放送された話題作です。明治時代の日本を舞台に、サスペンスとファンタジー要素を織り込んだ冒険活劇に挑むのは人気上昇中の若手俳優を中心とした豪華キャスト陣。
武田楽鳥役の山本涼介さん、青木弥二郎役の荒牧慶彦さんにそれぞれ本番への意気込みを伺いました。
(取材・文/片桐ユウ)

INTERVIEW & SPECIAL 2015 2/16 UPDATE

—— 荒牧慶彦さんが演じられる役の紹介をお願いします。

舞台オリジナルのキャラクターで、元武士でありながら廃刀令によって山賊になってしまった兄弟の弟分、青木弥二郎役を演じます。舞台『曇天に笑う』は兄弟愛がテーマということで、曇天三兄弟の兄弟愛があり、風魔一族の兄弟愛があり、そして山賊兄弟の兄弟愛もあります! 僕らの関係は、弥二郎の片想いというか…弟からのプッシュが強い兄弟愛になると思いますが(笑)。

—— コメディ要素の強いキャラクターなのでしょうか?

「基本、お兄ちゃんと食べ物のことしか考えないで」と言われているので、ひたすらお兄ちゃんを追いかけて、食べ物を探しているキャラクターになると思います(笑)。場を和ますというか、緊迫感があるストーリーの中でお客様の力をいい意味で抜くポジションですね。山賊兄弟が場面を賑やかすことで他の緊張感が引き立つと思いますし、オリジナルキャラなので縛りがない分、やれるところがあるかなと思っています。

—— 役のビジュアルを拝見して、クールなワイルド系だと思っていました。

僕もビジュアル撮影の時は「どんな悪いヤツなんだろう…」と思っていました。元武士だけど山賊になってしまったという経歴を聞いて、「なるほど“悪(ワル)堕ち”した男なんだな!」と想像していたんですけど、稽古を重ねていくにつれて僕の立ち位置は「バカな山賊」になりました(笑)。身構えていたものと違ったことへの戸惑いはありましたけど、兄貴分である赤松一郎太役の河野(まさと)さんと一緒に色々やることが出来てとても楽しいです。

—— 現在稽古中ということですが、お稽古場の雰囲気はいかがですか?

和気藹々としていてすごくいい雰囲気です! 最初は、敵役なのでみなさんと絡みづらくて(苦笑)。先輩方が多かったのもあって、話すキッカケをどうしたらいいのかと思ってモヤモヤしていたんですけど、ご飯とか一緒に行くうちに仲良くなれました。

—— 今のところ、弥二郎を演じる上で課題として見えているものはありますか?

今は「姿勢を崩す」というところですね。これまで演じてきた役は立ち姿がスッとしているキャラクターが多くて。美しい形を意識してやってきていたので、立ち回りをしていても「キレイ過ぎるから崩して」とダメ出しを受けるので、苦戦中です。ついついスッとして流し目をしてしまうという(笑)。

—— 今まで演じてこられた役が身についてしまっているんですね(笑)。

今回は山賊なので姿勢を悪くして、ガニ股にして、リアクションも体全体で反応するように意識しています。でも今回の役が身についてしまったら今後ちょっと困りますね(苦笑)。

—— それだけ新しい役柄への挑戦となります。

俳優として色々な役をやりたいとずっと思っていましたし、ファンの方々の前でも常々「カッコイイだけではなくて、気持ち悪い役をやるのも大好き」と話していたので、僕のファンの方々は受け入れてくださるのではないかと思っています。
今までやったことのない役なので突き抜けて、とにかくテンションを高く! お兄ちゃんと食べ物を探して作品のいいスパイスになりたいと思っています。

—— 演じられるのはオリジナルキャラですが、原作に対してはどんなイメージを?

序盤から驚かされる展開だったので、どんどん引き込まれていきました。明治時代が舞台ですけどフィクションも織り込まれていて、その面白さにハマっていきましたね。原作漫画は全巻読ませて頂いて、アニメも放送中に見ていました。僕は刀を使う舞台が大好きなので、そういった要素が入っているところも好きなポイントです!

—— 荒牧さんはこれまでにも様々な殺陣を舞台で披露していますね。

はい。でも今まで僕が演じてきた役は軽やかに殺陣をこなすキャラクターが多かったので、今回は違う表現を目指したいなと思っています。武士の刀は重みがあるでしょうし、その「重さ」をしっかり表していきたいと思います。

—— 「2.5次元」の舞台ならではの難しさなどは感じますか?

原作のある舞台は期待度もあるでしょうし、脚本が観客の方に配られているようなものだと思っているので、答えを知っている方々に見せるんだというプレッシャーは感じます。僕たちの出した答えと、お客様の欲している答えが違ったりすると残念に思われたりもするので、慎重に行かなければいけないと思います。ただ、原作のダイジェストになるのはつまらないとも思うので、いい意味で裏切られたというか、原作を捻じ曲げるのではなく「こう来たか!」と思わせることが出来たら幸せですね。今回はオリジナルキャラですが、原作のある舞台でオリジナルのキャラクターを演じるのは初めてなので、「原作にも居て欲しかった」と思っていただけることが出来たら勝ちかなと思います。

—— 最後に、見どころをお願いします!

殺陣も満載なのでエンタメとしても楽しめますし、兄弟愛はもちろん、僕は曇空丸が影の主役だと思っているので…(〜ここで、細貝さんが通りすがり、荒牧さんを見守る〜)…ちょっと、今いいこと言っているんですから(苦笑)!(〜細貝さん、微笑みながら立ち去る〜)はい、空丸の葛藤や成長も見どころだと思います!

 

舞台『曇天に笑う』は2月19、20日のプレビュー公演を経て、21日より東京・天王洲 銀河劇場にて上演されます。
詳細は以下の公式サイトでご確認ください。

舞台『曇天に笑う』公式サイト●http://www.dontenniwarau.com/theater/

 

[プロフィール]

 

あらまき・よしひこ
1990年2月5日生まれ、東京都出身。
ミュージカル『テニスの王子様』甲斐裕次郎、ミュージカル『忍たま乱太郎』立花仙蔵役、舞台『K』夜刀神狗朗役、舞台『炎の蜃気楼昭和編 夜啼鳥ブルース』直江信綱役などを演じる。

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