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NODA・MAP『THE BEE』公開ゲネプロ
4月25日に初日を迎えた「NODA・MAP 番外公演『THE BEE』Japanese version」の公開ゲネプロが24日、水天宮ピット大スタジオにて行われました。(撮影/谷古宇正彦)
NEWS & INFORMATION 2012 4/26 UPDATE
筒井康隆の小説『毟りあい』を題材にした本作は、2006年にロンドンで初演、翌年には東京で日英両バージョンが上演され、その年の演劇賞を総なめにした話題作です。
再演となる今年も、名女優キャサリン・ハンターを迎えて、すでにEnglish Versionが海外&日本で上演され、好評のうちに幕を下ろしました。そして先日25日、いよいよJapanese versionが幕を開けました。
今回のJapanese versionは、4人の出演者のうち、半分を変更。野田秀樹、近藤良平という初演続投組に、宮沢りえ、池田成志という新たなキャストを迎えての上演となりました。
宮沢りえの人妻ストリッパー役は、とにかくセクシーで妖艶!(上の写真をご覧ください)。 彼女を愛するがあまり脱獄した夫(近藤)の気持ちも「わかるわかる!」と納得できるほど、説得力のある、匂いたつような美しさです。
近藤良平の身体能力はいまさら語る必要もないですが、安直、小古呂、小古呂の息子などを見事に演じわけ、その演技力を改めて実感。特に、小古呂の息子が、自ら指を差し出す姿には、胸が締め付けられました。
池田成志も、さすがの存在感。キャラクターの濃い役どころを、次々に演じきって、重々しい題材の中にあってむしろ清々しいほど。野田さんの期待に見事に応えたのではないでしょうか。
そして、狂気に落ちていく男・井戸を演じた野田秀樹は、初演よりも凄みを増した気がしました。「目には目を」…報復劇の恐怖と空しさが、じわじわと襲ってきます。
個人的には、井戸が狂ったように踊るときのBGM、尾藤イサオの「剣の舞」が、耳に残ってしまって、帰宅後すぐさまyoutubeで聞いてしまいました。完全に蝕まれた……ああ、恐ろしい。
一言で言い表せないのがNODA・MAP。自分の目で、感覚で、五感フル回転で、たっくさん詰まったテーマを感じ取っていただければと思います。しかも、今回はなんと、NODA・MAP初となる全国公演が実現しました。お近くの劇場でぜひ、野田ワールドを体感してみてください。(文/中村恵美)
<公演情報>
「NODA・MAP 番外公演『THE BEE』Japanese version」
東京公演 2012年4 月25日~ 5月20 日 水天宮ピット 大スタジオ
大阪公演 2012年5月25日~ 6月3 日 大阪ビジネスパーク円形ホール
北九州公演 2012年6月7日~ 6月10日 北九州芸術劇場 中劇場
松本公演 2012年6月15日~ 6月17日 まつもと市民芸術館 実験劇場
静岡公演 2012年6月22日~ 6月24日 静岡芸術劇場
作・演出・出演:野田秀樹
出演:宮沢りえ、池田成志、近藤良平
お問い合わせ:NODA・MAP TEL:03-6802-6681 http://www.nodamap.com