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月組 梅田芸術劇場メインホール公演『風と共に去りぬ』舞台写真&囲み取材

100周年を迎えた宝塚歌劇が梅田芸術劇場メインホールで代表作『風と共に去りぬ』を上演中。轟悠さん、龍真咲さんらが出席された囲み取材と舞台の模様をお届けします!(写真・文/小野寺亜紀)

NEWS & INFORMATION 2014 1/24 UPDATE

『ベルサイユのばら』と並ぶ宝塚歌劇の代表作、『風と共に去りぬ』。77年の初演以来再演を重ね、公演回数1312回、観客動員数272万人を超える名作が、梅田芸術劇場に初登場。“ベルばら”でオスカルを好演した月組男役トップスター・龍 真咲さんが、初のスカーレットに挑んでいます。男役トップスターがスカーレットを演じるのは、94年の一路真輝さん以来20年ぶりとなるそう。さらに4度目のレット・バトラー役となるのが専科の轟悠さん。“男役が憧れる究極の男役”と言われるレットを、轟さんが至宝級の演技で魅せる贅沢な舞台です。

 幕開きはアメリカ南部の青年たちに囲まれてのスカーレットの華やかな登場シーンから。94年の一路真輝さん主演『風と共に去りぬ』を彷彿とさせるオープニングです。スカーレットを象徴する白い輪っかのドレスに身を包んだ龍真咲さんは、チャーミングな魅力を振りまき見事なヒロインぶり。恋に恋する乙女のような瞳の輝き、「お昼寝の時間ですよ」とマミーに連れて行かれる姿も微笑ましく、瑞々しいスカーレットに釘づけとなります。龍スカーレットは一貫して明るいオーラを放ち、生きるエネルギーに満ちていました。一幕ラストのタラのシーンの力強い熱唱と演技も、一層ストレートに胸に迫ります。

 

 タカラヅカのトップ・オブ・トップ、轟悠さんが演じる4度目のレット・バトラー。02年の日生劇場公演では菊田一夫演劇賞も受賞しただけに、いやがうえにも期待が高まります。浅黒い肌に口髭、かなり濃いめのもみあげというワイルドな容姿、ニヒルな微笑み、深く腰かけて足を組んだ時の格好よさ…。すべてスマートに完成されたレット・バトラー像は貫禄が!奔放な龍スカーレットと並ぶとさらに大人の男の渋さが際立ち、手の平でスカーレットを転がすような愛の駆け引きに、余裕すら感じられます。アトランタの戦火を突っ切る「戦場」のシーンは独壇場。ハラリと落ちてくる前髪まで、計算し尽されているのではと思うほどにキマッています。

だからこそ二幕でメラニーを前に、スカーレットへの愛を吐露するときの哀しい背中の演技にぐっときます。轟レットはこの背中が真骨頂。スカーレットに帽子を贈り軽やかに去っていく背中、アシュレに走り寄るスカーレットに打ちひしがれて去っていく背中、そしてラストの名シーン中の名シーンの背中。すべてを背中が物語っているようで、深い感動が何度も押し寄せました。これぞ歌舞伎に通じるような究極の“男役芸”。

また今作はフィナーレがシンプルな分、2時間半以上しっかりとドラマを見せていくのでマーガレット・ミッチェルの原作の壮大さ、複雑な人物像がより伝わってきます。昨年の宙組大劇場公演『風と共に去りぬ』にはなかったシーンも復活。北軍に森で襲われたスカーレットの仕返しをするために出て行った、スカーレットの再婚相手、ケネディ・フランクたちを待つという件は特に緊迫感が漂います。「君はマグノリアの花の如く」「明日になれば」など数々の名曲に彩られ、激しい愛、故郷への想い、女性の強さ、男の優しさ、あらゆる要素を含んだタカラヅカの代表作。これを月組の若いメンバーたちが支えているのも頼もしかったです。

 

 月組トップ娘役の愛希れいかさんが演じるメラニーは、優しい雰囲気を醸しつつ南北戦争の始まりを告げる場面での力強いソロなどでは芯の強さも。アシュレの沙央くらまさんは螺旋階段での登場シーンなど気品ある二枚目ぶりで、最後の魂が抜けてしまったような演技まで巧い。スカーレットの分身であるスカーレットⅡの凪七瑠海さんも活躍。長身の彼女の白いドレス姿と勝気な表情にハッとさせられ、珍しく男役同士が演じるスカーレット&スカーレットⅡの活き活きとした掛け合いも心地いい。南部の誇りを背負った星条海斗さんのミード博士も、男前な演技で目を引きます。ピティパットの憧花ゆりのさん、ベル・ワットリングの光月るうさん、チャールズの紫門ゆりやさん、フランクの煌月爽矢さんらも好演。そしてマミー役・汝鳥伶さんのアメリカ大地を感じさせる大きな存在感が随所で光っていました。

 

 初日前の舞台稽古の終了後、龍真咲さん、轟悠さん、タカラヅカ版“風共”の生みの親・植田紳爾さんが舞台上での囲み取材に出席されました。

植田「やはり宝塚大劇場とは違うものをやりたいというところから、演劇性が深い創り方となりました。長い原作の中でどこをやるかという点に悩みましたが、この梅田芸術劇場でもずっと上演できるものを創れたら面白いなと。(龍さんと轟さん)二人がすごく面白くやってくれていて嬉しく思います。轟は菊田一夫演劇賞を戴いたこの役を再び創り上げるのに稽古場でも悩んでいたし、龍は最初は慣れないスカートに照れまくっていた。お互い不安だったと思うけど、稽古をやっているうちにとても息が合ってきましたね。昨日、今日とまた息の合い方が違うのが芝居の醍醐味です」

龍「2014年、タカラヅカ100周年の最初となる梅田芸術劇場での公演で、世界でも宝塚歌劇でも名作と言われる作品に出演できることを、とても嬉しく誇りに幸せに思います。轟さんをお迎えすることで今までの月組以上のエネルギッシュさで、シャープかつダンディな『風と共に去りぬ』になるのではないかと思っています」

轟「幸運にも4回目のバトラーをさせていただけて喜びの気持ちでいっぱいです。タカラヅカ人生の節目節目に演じさせていただいた大好きな役。ひとつの役ではありますが毎回違いますし、新たな挑戦がどこなのか、お客様の前で演じてから気付く部分もあると思います。まだまだ私自身悩みながら演じており、奥は深く、先は長いです。稽古中は“マサーレット”(龍さんの愛称・まさおより)の元気さに少々押され気味ではありましたが(笑)、舞台ではいい意味で火花を散らして楽しく演じたいです。出演者は40名ですが、80名に見えるように士気を高めて頑張ります!」

轟さんのコメントを受けて龍さんが、「おっしゃっていただいたように元気いっぱいのスカーレットを、強い生命力をもって演じられるようにということを一番の芯にして挑みたいです」と言えば、轟さんが「バトラーがいなくても生きていけると思います。一人で生きていける強さがある!」と笑い、龍さんが「そう言われないように…努力します」と可愛く萎縮する場面も。これは轟さん流の賛辞と取れました!

まだまだ千秋楽に向けて進化し、変化していきそうな舞台。どうかお見逃しなく。

 

宝塚歌劇月組 梅田芸術劇場メインホール公演
宝塚グランドロマン 『風と共に去りぬ』
2014年1月11日(土)~27日(月)
梅田芸術劇場メインホール
原作:マーガレット・ミッチェル
脚本・演出:植田紳爾 演出/谷正純
出演:(専科)轟悠、汝鳥 伶 (月組)龍 真咲、愛希れいか、他
問い合わせ:梅田芸術劇場℡06・6377・3800
公式サイト:http://www.umegei.com/schedule/324/index.html

 

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