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シアタートラム『炎 アンサンディ』初日
レバノン内戦をベースにした、家族のルーツを巡るサスペンス『炎 アンサンディ』が、2014年9月28日(日)、東京・世田谷パブリックシアター シアタートラムにて初日を迎えました。(舞台写真/世田谷パブリックシアター企画制作『炎 アンサンディ』2014年シアタートラム 撮影:細野晋司)
NEWS & INFORMATION 2014 9/29 UPDATE
『炎 アンサンディ』の原作者ワジディ・ムワワドは、レバノン生まれで、レバノン内戦の最中フランスへと亡命し、のちにカナダに移住。本作は、そんなルーツを持つ彼ならではの視点で、戦争に翻弄される人々の激動の人生と、憎しみの連鎖を断ち切る “家族の絆”と“愛”が描かれています。公演は、初日から大勢の観客が訪れ、カーテンコールでは惜しみない拍手が送られました。
初日を終えて、演出の上村聡史さん、出演の麻実れいさん、岡本健一さんが初日の感想を語りました。
上村聡史さん
「重い作品ですのでどのように受け止められるかが気になっていましたが、終演後、お客様がかみしめるような表情で帰っていくのを見て、本当に今、上演できてよかったと感じました。キャストも良いアンサンブルになっていますし、力強く、かつ感情にも訴えかける作品になったのではないかなと思います。充実した、満足のいく仕上がりですので、ぜひ、たくさんの方にご覧いただきたいです」
麻実れいさん
「作品が素晴らしいので演じる責任を感じていましたが、大変良い初日を迎えられてほっとしました。公演を通して、私たちもお客様に支えていただきながら、明日からも頑張りたいと思います。老若男女の皆様に観ていただきたいですし、特に若い方々にも、この作品を観て感じていただきたいです」
岡本健一さん
「初日はあけましたが、この作品はまだこれからも続いていきます。お客様が入ることによってどんどん深くなっていく作品だと思います。このような役を与えられたこと、このような作品に関われたことは本当にありがたいことだと感じています。誰もこの作品の登場人物たちのような人生を送らない世界になってほしい。観ていただいた方が、ささやかでも良いので愛を見つけてほしいと思っています」
『炎 アンサンディ』は10月15日(水までシアタートラム、10月18日(土)兵庫県立芸術文化センター阪急中ホールにて上演。
<あらすじ>
第一章・ナワルの炎 第二章・子ども時代の炎 第三章・ジャナーヌの炎 第四章・サルワヌの炎
現代のモントリオール。公証人エルミル・ルベルは、生前に親交のあった女性ナワルの遺言と二通の手紙を彼女の双子の娘と息子に託す。それは死んだと聞かされていた父と、存在すら知らされていなかった兄を探し出して、彼らに手紙を渡して欲しいという衝撃的な遺言であり、その目標が達成された時、更にもう一通の手紙が双子に渡されるというものであった。ある日を境に突然話すことを止め、実の子にも心を閉ざして生きてきた母への複雑な思いから、双子は反抗的な態度をとる。だがルベルにも促され、母親のルーツを訪ねてみたいという思いが徐々に芽生え始めた双子は、母の祖国・中東へ旅立つ決心をする。━━━ 舞台は、“現代のモントリオール”と母ナワルの晩年の“過去のモントリオール”、双子の姉弟が訪ねる“現代の中東”と母ナワルが生きていた少女時代から青年期の“過去の中東”という、四つの時間軸が交差していく。
<公演データ>
『炎 アンサンディ』
2014年9月28日(日)~10月15日(水)
【東京公演】世田谷パブリックシアター シアタートラム
[作]ワジディ・ムワワド
[翻訳]藤井慎太郎
[演出]上村聡史
[出演]麻実れい 栗田桃子 小柳友 中村彰男 那須佐代子 中嶋しゅう 岡本健一
[お問合せ]世田谷パブリックシアターチケットセンター 03-5432-1515 http://setagaya-pt.jp
【兵庫公演】 10月18日(土) / 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール