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八嶋智人がこまつ座に初参加、こまつ座『國語元年』が開幕
栗山民也さん演出のこまつ座『國語元年』が、9月1日に東京・紀伊國屋サザンシアターで開幕。10月に同時上演予定の『十一ぴきのネコ』『マンザナ、わが町』に先立つ、こまつ座秋の連続公演の幕開けを飾ります。栗山さんと八嶋智人さん、朝海ひかるさんのコメントも届きました。(撮影:谷古宇正彦)
NEWS & INFORMATION 2015 9/2 UPDATE
皆さまご存じのとおり、こまつ座は、「日本のシェイクスピア」とも称される作家・劇作家の、故井上ひさしさんが1984年に旗揚げ。現在も井上さんに関連する作品のみを専門的に上演している劇団です。
井上さんは、常日頃から“ことば”に対して並々ならぬ研究を重ね、自身の持つ知見を最大限に発揮しながら戯曲や小説を書き続けました。井上さんの言葉にこうあります。
「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、そしてゆかいなことはあくまでゆかいに」
初日を迎えた『國語元年』は、井上作品の中でも、ことばに対するこだわりや造詣が顕著に表れた代表作のひとつです。
初日に際して、演出の栗山民也さんと、八嶋智人さん、朝海ひかるさんのコメントが届きました。主人公・清之輔役の八嶋智人さんは、こまつ座に初参加。井上作品にも初挑戦です。清之輔の妻・光を演じている朝海ひかるさんは、井上作品では『しみじみ日本・乃木大将』以来の出演となります。
栗山民也
『國語元年』の演出はもう5回目になるが、そのたび毎の時代によって本の中のことばが違って響く。今回はやけに、二幕の加津のせりふが新鮮に聞こえた。
加津「これが争いごとの火種でございましたね。(字引を読み上げる)『生れる』『育つ』『読む』『書く』『聞く』『話す』『考える』『つくる』『出世する』『好む』『恋する』……」
これらの言葉は井上さんが考える人の在りよう、基本的人権を示す「憲法」のようだと思う。日本の政情に危うい性急さが見られるいま、時代をもう一度見直さねばならないと強く感じている。
八嶋智人
稽古初日から本番のつもりで稽古してきましたので、初日もいつものようにやる、という風に思っています。とても優秀なスタッフさん、そして共演者の方々に恵まれて、本番を楽しもうと思っています。僕が演じる清之輔は、実にまじめな普通の人で、今の日本のあり方を支えてきたうちのひとりです。このおかしくも悲しい清之輔という存在を、ご覧いただければと思います。
朝海ひかる
『國語元年』という作品の重さと大変さ、そしてすばらしさを、舞台稽古にきて改めて発見することがまだまだありました。稽古したことを、すべてクリアにできるようにしたいと思っています。全員でのチームプレーの芝居なので、集中力を途切らせないように、皆さんの足を引っ張らないよう、自分の課題としてはひとつひとつ大事に演じていきたいです。出演者の皆さんは八嶋さんはじめすばらしい方々ばかりなので皆さんのエネルギーを借りなが らできればいいなと思っています。
こまつ座 第111回公演・紀伊國屋書店提携
『國語元年』
作:井上ひさし
演出:栗山民也
出演:八嶋智人 朝海ひかる 久保酎吉 那須佐代子 田根楽子 竹内都子
後藤浩明 佐藤誓 土屋裕一 森川由樹 たかお鷹 山本龍二
日程:9月1日(火)~23日(水祝)
会場:紀伊國屋サザンシアター
※兵庫・愛知・宮城・山形公演あり。
詳細はhttp://www.komatsuza.co.jp/をご覧ください。