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好評上演中!『ベイビーさん』舞台写真&コメント
不世出のストーリーテラー・中島らもの幻の傑作戯曲『ベイビーさん~あるいは笑う曲馬団について~』が11月7日に初日を迎えました。舞台写真と初日直前コメントが届きましたのでご紹介します!(撮影:田中亜紀)
NEWS & INFORMATION 2015 11/11 UPDATE
ストーリー
昭和6年(1931年)、満州のとある戦場で幕を開ける。
第二次世界大戦に日本が突き進んでいた時代、堂山中尉と八代少尉の二人は爆撃から逃れてとある塹壕に潜んでいた…。
それから10年、昭和16年。
いよいよ日本が第二次世界大戦に突入しようとしている時。満州の新京。
とあるサーカス団が、軍隊の慰問をするために活動を開始している。その慰問が適正かどうか視察にきているのは、八代大佐率いる一同。見世物が終わって、八代大佐のもとに集まってくる、サーカス団の連中。
「サーカスではない、曲馬団だ」
士気を鼓舞するための慰問だ、間違っても敵性語を使用してはならない。
「そういえばここには動物はいるのか」
八代大佐に問われて、象やらがいると答える曲馬団の一同。日本国中が食べ物を制限している中、餌をやることに不服をぶつけられて、サーカスの連中が思わず放った言葉は
「餌を食わない動物もいるんですよ」
餌を食わない動物なんているはずがない!と息巻く八代大佐のもとに連れてこられた一頭の動物。 「ベイビーさんで。」
こうして、ベイビーさんと曲馬団と八代大佐たちは出会ったのだった…。
***
演出:G2 さん
・初日を直前にした今のお気持ちはいかがですか?
中島らもさんが亡くなられて早や11年。 文字で残されたらもさんの想念が、舞台上に再び具体的な形を伴って現れる。 なんとも不思議な気持ちです。
・いつか演出を、と望んでいらっしゃったという「ベイビーさん」ですが、実際に演出されてみて、いかがで したか?
手を抜かず、余計なことをせず、テキストから感じたままを頼りに稽古場で芝居を作ってきました。 あとはお客さまにどう感じていただけるか……とても楽しみです。
・キャストの皆さまに対して、稽古場での感想や、本番に際して望んでいることなどありますか?
もともと演劇というのは人が集まらねば作ることができないものですが、 今回は特に、人の集まりの大切さと素晴らしさを感じています。 二十代の若者を三人も迎えたカンパニーは自分にとって珍しいし、 ダンスも殺陣も役者兼任でがんばってくれました。 ベテランも手を抜いてません。 スタッフは実現不可能とも思える演出プランを具現化してくれました。
・これから観に行こうかと思っていらっしゃる方に、一言お願いいたします。
疲れた心の栄養補給にお勧めの一品。理屈抜きに楽しめる作品になったかと思います。
池田純矢さん
・初日を直前にした今のお気持ちはいかがですか?
憧れの中島らも戯曲、いつかはと思い描いていた G2 さんの演出、しかも光栄にも、 そこに主演という立場で立たせていただける喜びに高揚しています。そして、この夢の ような作品が日々確実に現実となっていく中、最高潮に気持ちが高ぶっています。
・ G2 さんの演出や、共演のみなさまとのお稽古の中で印象的なエピソードなど ありましたら教えてください。
自分なりに役を解釈して、稽古で演じて提示するのですが、G2 さんから「ここはこういう方がいいんじ ゃない?」というように提案されると、「わからない!」と思ってしまう事があったんです。 疑問を持っていたのに、言われた通りにやってみると、何故か腑に落ちる、という不 思議な感覚がありました。後半になって気付いたのは、イエスマンになって、分からないのに「はい!」と言って、 マシーンになってしまうよりも、自分の中で疑問を持ち、それを伝え、何故わからないのか? どうすれば納得できるのか?を考え、それを探す作業が凄く楽しかったのが印象的でした。
・お稽古で苦労されたことや、また楽しかったことなど、教えてください。
お芝居の質的にも、身体的にも、どちらかと言うと普段は発散する役どころの方が 多かったのですが、今作ではどちらにも大きな縛りがあり、自分を抑圧する事が課題でした。 何もしない、しかし、そこに在る。と言うのがどれ程難しいか、痛感したように思います。 逆に、不自由の中に生まれる自由を見つけた時は何よりも嬉しかったです。
・これから観に行こうかと思っていらっしゃる方に、一言お願いいたします。
この作品は純粋に「面白い!」と言ってもらえる作品だと思います。 コメディ、シリアス、エンタテイメント色んなものが詰まっています。 舞台観劇が初めての方にも優しい作品です。 是非、ワクワクした気持ちでいらしていただければと思います。
松尾貴史さん
・初日を直前にした今のお気持ちはいかがですか?
実に清々しいです。やることはやったという感じです。 初演を⻘山円形劇場で観て、出演したかったなあと思ったときから、20 年が経ち、ひたすら感慨深いで す。
・初演をご覧になった時、出演したかったと望んでいらっしゃったという「ベイビーさん」ですが、実際にお 稽古をされてみて、いかがでしたか?
らもさんがご自分で演じることを想定して書いた役なので、どういう人格設定をしていたのか、想像す る作業が楽しかったです。
・お稽古で苦労されたところや、楽しかったところなど、教えてください。
サーカス団のあらゆる娯楽を盛り込んで良いという状況設定に、いろんな工夫があり、稽古場で実際に やってみて、組み立てていくプロセスが、無邪気に楽しめました。
・これから観に行こうかと思っていらっしゃる方に、一言お願いいたします。
色々な部分で、役者各々が、薄氷を踏む場面が多いので、そこを楽しみに、皆様お誘いの上賑やかにお 越しください。二度三度と観ていただくと楽しさも倍増です。
本作は11月14日(土)まで、Zeppブルーシアター六本木で上演中です。
[公演情報]
『ベイビーさん~あるいは笑う曲馬団について~』
11月7日(土)〜14日(土) Zeppブルーシアター六本木
作:中島らも
演出:G2
出演:池田純矢 鈴木勝吾 井澤勇貴 入来茉里/小須田康人/松尾貴史 ほか
公式サイト●http://baby-san.com/
お問い合わせ:セガ・ライブクリエイション03-6871-7680(平日10:00~18:00)